vol.28_CLARINS
植物の恵みを余すことなく生かす先進的な取り組み
クラランスの歴史は1954年、パリにアンスティテュ クラランスの第1号店となるエステティックサロンを設立したことにはじまる。創設者はジャック・クルタン・クラランス氏。当時、医者を目指していた彼は病気や怪我で外見の美しさを損なわれた女性たちのための施設として開設し、「美の治療センター」と呼ばれていたほど。
美容機器は一切使わず、手のひらを使った独自のメソッド“クラランス タッチ”は多くの女性たちを癒し、自信を与えたという。その施術の際に使われていたのが100%ピュアな植物由来オイル。顧客たちから自宅でも使いたいとの要望を受け、1968年にクラランス初の製品として販売をスタート。以来、数々のヒットアイテムを生み出すことになるのだが、クラランスの躍進は植物研究なくして語れない。
「ジャック・クルタン・クラランスは当初から植物だけが持つ肌への優しさ、その秘めたるパワーに着目していました。植物は美容効果の源であるという考えのもと、安全性を第一に、先進技術を駆使して植物の恵みを余すことなく生かし、製品を作り上げること。創業時から変わらないクラランスの哲学です」と話すのはクラランス インターナショナル サイエンティフィック コミュニケーション ディレクターのマリエレン・レアさん。
日本上陸は1985年。オイル シリーズをはじめ、2本の美容液を混ぜて使う初代ダブル セーラムなど肌悩みに応える細やかなラインナップ、圧巻のボディケア製品。植物の濃さを感じるテクスチャーと香り!!
すべての製品に“お客様カード”が同梱され、それに書き込んで返送すると(カウンターに持っていってもOK)、フランスの本社に届けられるというシステムも画期的。何もかもが新しくてワクワクしたものだ。
「実際に製品を使う女性たちの声に耳を傾けようと創始者のジャック・クルタン・クラランスが考案したものです。現在もこの方法で世界中のお客様からご意見をいただいています」(マリエレンさん)
2016.10.02(日)
文=吉田昌佐美
撮影=吉田健一