複数の植物成分を組み合わせる技術

 60年以上にわたる植物研究。その中でクラランスはさまざまなチャレンジをし、製品へ応用してきた。たとえば、複数の植物成分を組み合わせる技術。そのバランス、配合率のこだわりは半端じゃない。

「植物には活性成分が豊富に含まれ、組み合わせることで一層効果が高まることがあるため、植物成分をさまざまな角度から分析・検証し、より良い効果をもたらす成分の組み合わせを追求しています。ですから、クラランスの研究部門には植物学や生物学、化学、薬学、皮膚科学などのエキスパートたちが結集しているんですよ。世界各地の民族植物学者とネットワークを持ち、外部の研究機関や大学の研究チームと共同研究することも」(マリエレンさん)

 特にここ数年、植物の見つめ方が深まっている感じ。自然を模倣するバイオミミクリーという考え方とか……。

「植物は厳しい状況に直面するたびに解決策を見出し、サバイバルする力が備わっています。バイオミミクリーとはこうした自然の力を模倣するという考え方ですが、さらに一歩進んでバイオインスピレーションという考え方へ。植物が持つ優れた機能や形状から着想を得て製品に応用し、持続可能な製品を作るという考え方です」(マリエレンさん)

 自然から採るとか自然を真似するのではなく、自然と交換するという考え方に近いのかも。クラランスは設立当初から環境への配慮や天然資源を守る取り組みをしているけど、物作りも未来を見つめている。これってすごく大事な革新だと思う!

「水」が肌を変える。肌年齢別ローション誕生!

 秋は新作ローションが目白押し。その中でひときわユニークなのがクラランスの肌年齢別のエイジングケア ローションだ。肌年齢によって異なる肌の特徴に着目し、25歳以降、35歳以降、45歳以降の肌に対応する3本が登場。早くも話題になっている。

「肌のバリア機能をアンロック(解放)し、それぞれの肌年齢に合った有用成分を届けるとともに次に使う製品の成分の角質層への浸透をサポートします。植物由来成分をたっぷり配合、肌にのせた途端に変化してスキンバリアを解放するとろみのあるテクスチャーも研究によるもの。クラランスの技術を詰め込みました」(マリエレンさん)

 オイルに強いクラランスが水もので勝負とは興味深い。ローションケアが大好きな日本人にとっては大歓迎ですけど。

「今回のローションの開発では日本女性のテクスチャーに対する嗜好性やレイヤリング(重ねづけ)するケアステップがヒントになりました。日本の女性にはぜひ使っていただきたいし、どんな感想が聞けるかとても楽しみです」(マリエレンさん)

 実際に使ってみると、テクスチャーも香りも全然違う。3本あってまったくの別モノ。次のページでさらに詳しく紹介していこう。

2016.10.02(日)
文=吉田昌佐美
撮影=吉田健一

CREA 2016年10月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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