#100 Phuket Island
プーケット島(タイ)

海外旅行デビューはトラブルだらけ!

アマンプリとザ・スリンの麓にあるパンシービーチ。2つのリゾートのゲストでほぼ貸切状態。

 この連載もついに100回目!

 記念すべき回にとっておいたのが、タイのプーケット。わたしの海外旅行デビューのビーチです。

 プーケットへ向かうべく、まずはタイの玄関口バンコクへ。その頃、沢木耕太郎さんの紀行小説『深夜特急』にハマっていた友人と二人でバックパッカーの聖地、カオサンロードで宿探し。エアコンなし&水シャワーの安宿に泊まり、薄暗い部屋の窓から見下ろしたゴチャゴチャした街が、なんと刺激的だったことか。

砂でビーチベッドを作成中の、朝のパトンビーチ。目下、軍による規制により、パラソルは決められた場所のみに設置OK。

 とはいえ、旅には不慣れゆえ、街中で地図を広げて迷子になっている女子二人は、まさに“鴨ネギ”。ボートに乗せられ、おカネを巻き上げられ……。でも「困るんです」と訴えたら、一部返金(!?)してくれたりして。

 そんなドタバタのバンコクから、夜行バスでプーケットへ。

 このバスでの移動中もトラブルが発生。ライフルを構えた兵士が車内で犯人探しを繰り広げるなど、かなりハードボイルドな行程を経て、早朝にプーケットにたどり着いた頃には、濃密すぎて、お腹いっぱいになっていました。

2005年、ホテル・ノボテル・プーケットから見下ろしたパトンビーチ。

 けれど、その朝のさわやかなビーチの空気と、がらんとしたカロンビーチのロータリー、そして見上げたヤシの木々を今でも覚えています。それから続くプーケットでの数日間で、いろんな人と出会い、ビーチの楽しさを知ったことが、今につながっているように思います。

2016.07.16(土)
文・撮影=古関千恵子