Magnificent View #1015
クヴェードリンブルク(ドイツ)

(C)Miles Ertman / Masterfile / amanaimages

 どこを歩いても木組みの家だらけ。まるで中世にタイムトリップしたかのような風景が広がるのは、ドイツ北東部のクヴェードリンブルク。

 919年、当時の東フランク王国の国王となったハインリッヒ1世がここに居を構えたことが、ドイツ国家の始まりとなった。ハインリッヒの息子であるローマ帝国初代皇帝のオットー1世が城を帝国の宮殿として改築し、さらに街は発展。そんな歴史から、ここはドイツ発祥の地と言われている。

 人口約2万5000人の街に立つ木組みの家の数は、1300軒以上。石造りの家が見当たらないのは、かつて、国王が石造りの建造物を禁止していたためだのだとか。

 2度の世界大戦による被害を奇跡的に逃れ、中世の面影を濃厚に残す街並みは、世界遺産にも登録。「ロマネスク街道の秘都」と呼ばれ、人々に愛されている。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2016.07.11(月)
文=芹澤和美