3児の母の顔も持つデザイナーの植田さんが生み出すのは、動きやすく、幅広いシーンにマッチするニュートラルなスタイル。トップスは、肌触りのいいとろみ素材とアシンメトリーなドレープが特長的。斜めに打ち合わされたフロント部分がモードな味つけをしてくれる淡いグレーのパンツを合わせて。トップス16,000円、パンツ29,000円(ともに税抜)

 エンフォルドとの出会いは、約3年前。「WWD」の「ファッショニスタ100の私だけのコーデ」という内容の企画で、ある方のコーディネートがとても可愛いな~と思って見ていたら“エンフォルド デザイナー 植田みずき”とのお名前が。さらに「展示会でリアルに惚れたベスト・アイテムはこれだ!」のページでは、「ヌメロ」エディトリアル・ディレクターの軍地彩弓さんが「最近はエンフォルドばかり」とおっしゃっていて、いっそう興味を引かれました。

適度にハリのある素材が立体的なドレープを生むブラウス。シャープな襟元とバルーン状の裾のバランスが、凛とした女らしさを漂わせます。温かみのあるコッパー色のチョーカーもおすすめ。ブラウス23,000円、チョーカー18,000円(ともに税抜)

 その後、実際にお洋服を手に取って見ることができたのは仕事で伊勢丹に伺った時。ひとつひとつのアイテムは定番的なのにボリューム感やフォルムに新しさを感じて、前出の「WWD」で読んだ植田さんの「モードで固めるというより、少し抜け感のある“20%モード”が私らしさ」というコメントにもあらためて深く頷いたのでした。

 タックやギャザーでひねりのあるドレープを効かせたオーバーシルエット気味のデザインは、いつもの装いに1アイテム投入するだけで全身を刷新してくれます。私も早速トップスとパンツを購入しましたが、以来、あまりの使いやすさにどんどんアイテムが増え続けています。

展示会でオーダーしたお気に入りのセットアップは、春先に発売されて即完売になってしまったそう。ファブリックパネルを組み合わせたデザインが個性的。かなりストレッチも効いていて、動きやすさも抜群です!

 往々にして、モードな服ほどワンシーズンものになってしまいがちですが、エンフォルドは数年たっぷり愛用できるのも嬉しいところ。2012年のデビュー当時から「本質の美は隠されたところにある」というブランドコンセプトのもと、いち早くボディラインを隠し包み込むようなシルエットを打ち出した感性は、きっと時代の一歩先を行っていたんでしょうね。

【お問い合わせ先】
ENFÖLD丸の内店

電話番号 03-5220-1191
URL http://www.enfold.jp/

河井真奈 (かわい まな)
女性誌から広告、アドバイザー、商品開発まで多方面で活躍中のスタイリスト。女らしくエレガントな大人スタイルが得意。著書『絶対 美人アイテム100』(文藝春秋刊)、『服を整理すれば、部屋の8割は片付く』(立東舎刊)も好評発売中。

Column

河井真奈の「私が今、買いたいもの」

スタイリストの河井真奈さんが、プライベートで今リアルに欲しいと思っているほどお気に入りのアイテムをピックアップ!

2016.05.19(木)
文=村上治子