ダイナミックな火山を撮るコツ その2
「溶岩地帯は斜光をうまく利用して!」

チェーン・オブ・クレーターズ・ロードには様々な風景が広がっている。枯れ木の手前まで溶岩が流れたことがよくわかる。

 火口の撮影に飽きたら次はチェーン・オブ・クレーターズ・ロードへ。

 どこまでもつづく真っ黒な溶岩台地は太陽が西へ傾きだす午後がオススメ。国立公園自体のゲートは24時間開門しているが、このロードは閉門時間があるのできちんとチェックしてから入ろう。

 午後から夕方近くになると斜光になるため、溶岩が作り出す形やテカリが撮影できる。望遠レンズで海と溶岩を入れ込んだり、広角レンズで近くの溶岩にググッと寄ってみたり、キョロキョロと見渡しながら移動して自然が作り出した形や光を探してみよう。

固まった溶岩の隙間から生えてきた植物。空へ向かって元気に育つ植物を強調してローアングルで撮影。

 溶岩台地の大きさを表すために車などを構図の中に入れたり、溶岩の隙間から生えている元気な雑草などをポイントにしたり、平坦な大地だからこそポイント探しが重要になってくる。

溶岩の質感を強調しながら、ポイントとなる木の枝ぶりの向きで画面の中に流れを作る。
背景に海を入れて、新しい溶岩(画面中央の赤茶色の部分)と溶岩の上に植物が生え始めた古い溶岩の流れを撮影した。

 ここで技術的な面から注意点を1つ。プログラムオートや絞り優先オート、シャッター速度優先オートを使用していると見た目より明るく写ってしまい、溶岩が白っぽいグレー色になってしまう。

 よってここでは撮影はマニュアルモードで。普段マニュアルモードを使ったことがない人はぜひ挑戦してほしい。絞り値とシャッター速度の組み合わせで明るめから暗めまで自分の意志で露出を決めてみよう。

2016.05.22(日)
文・撮影=山口規子