ダイナミックな火山を撮るコツ 番外篇
「ハワイ島は火山以外も絶景だらけ!」

マウナ・ケアへ行くツアーに参加すると山頂で日没までの綺麗なグラデーションが楽しめる。

 火山以外にも素晴らしい風景が撮影できる場所を紹介しよう。まずはマウナ・ケア山頂。これはツアーに参加すると丁寧な解説が聞けるし、日没直前から夜の星空まで撮影できる。

 標高4205メートルなので、高山病にかかりやすい人は、ホテルのバーでLAVA FLOW(溶岩をイメージしたハワイ島ならではのカクテル)片手に夕陽観賞コースをお勧めする。

アカカの滝で見つけたバナナの葉。シダの影を利用して不思議な交差を表現。

 アカカの滝は、滝よりもむしろ植物の撮影にもってこいの場所。ジンジャーの花からシダ類の葉まで撮影できる。

私の好きな店「Glass From the Past」。アンティークボトルと窓からの光が織りなす光景は旅の疲れを癒してくれる。

 滝に行く途中にあるホノムの町で私が必ず立ち寄るアンティークボトルの店「Glass From the Past」も一見の価値あり! 店内に入るとアンティークボトルがずらりと並び、透過光がとても綺麗。

左:手前の木々をシルエットにしてワイピオ渓谷を撮影。
右:コーヒー農園の古い機械。錆びた質感がフォトジェニック!

 他にも懐かしいオールド・ハワイを彷彿とさせるヒロやホノカアの町並み、コーヒー農園が並ぶコーヒーロード、ワイピオ渓谷、パーカー牧場など2、3日では撮影しきれないほど。

 またTEXドライブインで美味しいマラサダ(ポルトガルのお菓子の揚げドーナツ。ハワイへプランテーション労働者としてやってきたポルトガル人が彼ら独自の食事を持ち込んだところから始まった)とコナコーヒーでのんびりと休憩するのも楽しい。

日没から夜の闇へ向かう15分間のマジックアワー。毎日違う色を見せてくれる。

 最後に付け加えるならばハワイ島はパワースポットの島としても有名。このような「気」の良い場所では火山の神様ペレに敬意を払って撮影すればすべてうまくゆく(と思っているのは私だけ?)。

 何はともあれ雨の日も晴れの日もすべてペレの思し召し。広大な火山の撮影には広い心と広角レンズで臨むべし!

 以上。次回は何のコツをお教えしようかと検討中。旅先の写真撮影でこんな時どうしたらいいの? など、取り上げてほしいテーマがあれば、CREA WEBの「掲載記事へのご意見・ご感想」フォームからご意見をお寄せください。

山口規子(やまぐち のりこ)
栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業後、文藝春秋写真部を経て独立。現在は女性ファッション誌や旅行誌を中心に活躍中。透明感のある独特な画面構成に定評がある。『イスタンブールの男』で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、『路上の芸人たち』で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。著書にひとつのホテルが出来上がるまでを記録したドキュメンタリー『メイキング・オブ・ザ・ペニンシュラ東京』(文藝春秋)、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)や東京お台場に等身大ガンダムが出来上がるまでを撮影した『Real-G 1/1scale GUNDAM Photographs』(集英社)などがある。また『ハワイアン・レイメイキング しあわせの花飾り』『家庭で作るサルデーニャ料理』『他郷阿部家の暮らしとレシピ』など料理や暮らしに関する撮影書籍は多数。旅好き。猫好き。チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会会員。

Column

山口規子のMy Favorite Place 旅写真の楽しみ方

山口規子さんは、世界中を旅しながら、ジャンルを横断した素敵な写真を撮り続けるフォトグラファー。風景、人物、料理……、地球上のさまざまな場所でこれまで撮影してきた作品をサンプルとして使いながら、CREA WEB読者に旅写真のノウハウを分かりやすくお伝えします!

2016.05.22(日)
文・撮影=山口規子