Magnificent View #906
大公宮殿(モナコ)

(C)Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 モナコ港を見下ろす旧市街の丘に立つきらびやかな建物は、大公宮殿。建物は、1215年、ジェノヴァ人が建てた要塞跡に造られたもので、18世紀に、現在のようなルネッサンス様式の宮殿になった。

 モナコといえば、世界中から富裕層の人々が集まる高級リゾート地。だが、1861年にサルデーニャ王国から独立した当時は、決して豊かな国ではなかった。時の大公、シャルル3世が地中海の青い海と太陽に恵まれたここを高級リゾート地として開発、禁止されていたカジノ経営を許可したことから、今日のようなリゾート大国になる礎が築かれたのだ。

 そんなシャルル3世をはじめ、国の君主やその家族が代々暮らしている、この宮殿。屋根の上に白い旗が掲げられている時は、大公が在館中なのだとか。

 4月から10月の間は宮殿内の見学も可能で、ルネッサンス様式の暖炉を備えた王冠室や、彫刻が施された大理石の二重階段など、豪華絢爛な内部を見ることができる。

Column

今日の絶景

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2016.03.24(木)
文=芹澤和美