今年で古希! 桑田佳祐

 ついつい思い出に浸ってしまった。さて、「勝手にシンドバッド」に話を戻そう。大人になると、昔は聴き取れなかった歌詞の素晴らしさがわかってきて、湘南に憧れた。この曲を聴きながら江ノ島電鉄に乗りたくなるのは、もはや当然の心理である。

 「江ノ島が見えてきた 俺の家も近い」の歌詞から何度妄想したことか。江ノ電からグアーッと見えてくる車窓からの海と空を。乗客全員がその風景を見て思っていることを、一気に言語化したような、唯一無二の「ざわめき」の曲、それが「勝手にシンドバッド」!

 何年経っても、聴いていて心がはやる。この気持ち、そんじょそこらにある言葉では埋められない。あのタイトルしかシックリこない。そう。最後にもう一回叫ばせてほしい。それが「勝手にシンドバッド」!!

 1978年の秋の衝撃から、ずっとサザンオールスターズはざわめいている。桑田佳祐さんは、今年2月、古希(70才)を迎えたそうだ。信じられない……。いっそ古希の「古」という字を個性の「個」に変えて!

 そしてソロ曲の最新曲は「人誑し」。確信する。まだまだ私たちは彼にビックリさせられるだろう。

 感じる音楽のパワー、リズムの魔力。ああ、これからも続く、胸さわぎの年月(としつき)!

田中 稲(たなか いね)

ライター。WEBを中心に、昭和歌謡、J-POP、世代研究、映画・ドラマの記事を執筆中。感動したら即行動をモットーに、50代半ばから、コンサートレポート、インタビューにも走り回るようになる。
著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『なぜ、沢田研二は許されるのか』(実業之日本社)がある。
執筆協力も、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(じっぴコンパクト新書)『時代小説・時代劇がよくわかる剣術・剣豪と刀』[本/雑誌](じっぴコンパクト新書)ほか多数。
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