「ちゃんと考えないとヤバいよ」と伝えています
――娘さんとも将来のお金について話をされているそうですね。
娘とはこの本をきっかけにお金の話をしました。以前は購入したマンションを娘に残そうと思っていましたが、娘は不動産ではないほうがいいそうなので、いずれマンションは売却して、3,000万円までは現金かNISAか株で娘に残し、あとは自分で使い切る、と話しています。
――お金の話を、親子できちんとされているのですね。
我が家はシングルなので、高校生でも、ちゃんと話したほうがいいと思っています。とくに娘は、私と私の父の血を受け継ぎ、“あるだけ使う”タイプなので「ちゃんと考えないとヤバいよ」と日頃から伝えています。
――本書についても娘さんと話をされましたか?
とくに話はしていません。実は私は、本を出す時は毎回、「遺書」だと思って書いているんです。もちろん、「これは遺書です」と書くわけでも、「娘へ」と書き記すわけでもありませんが、「いつか死ぬかもしれない時のために、とりあえず遺書を何冊か残している」という感覚で、いつか娘が読んだ時、何かの役立つように、と思って書いています。
それくらいの気持ちで書くと、結果的に信頼できる本になるんじゃないかな、と思っています。
私が生きてきたテレビの世界はスピードが速いのでつい「本当の自分」とは乖離する言葉を選ぶこともありますが、テレビを見ている人は、それが本当だと思って受け取ります。そのギャップに悩んだり、苦しんだりすることもありました。
本は何度も書き直せるし、自分のペースで向き合えます。だから今の私にとっては、いちばん「自身に近いこと」を伝えられる場所でもあるんですよね。
――本を出してから、お金の話をする機会は増えましたか。
増えました。お金の話って、あんまり人としないじゃないですか。でもこの本を出したことで、いろんな人とお金まわりの話ができるようになって、それがすごく面白かったです。
本当に人それぞれ価値観が全然違うんですよ。印象と実態が全然違い、お金がなさそうに見えたけれど実は持っていた人や、その逆の人もいて、面白いなと思いました。
「信じられない、そんなに使ってるの?」と言われることもあれば、私を先生のように扱い、「どうやってやるの? 教えてよ」と言われることもあります。そのバラバラさが面白いです。










