“リアルな人間らしい姿”を、作品の中で観てほしい

――本作では、どんな新しい前田さんが観られると思いますか?

 毎回、新しい自分を見つけたくて、新しい自分を見つけるため、いろんな役を演じているのですが、今回の『栄光のバックホーム』は実際にあったお話ということもあり、これまでの作品以上に身近に感じることができる作品になったと思います。

 たとえば、最後に横田選手に話しかけるシーンや屋上でバッティングしているシーンなど、僕自身も「リアルな人間らしい姿を伝えられるんじゃないかな」と思って演じていたので、そんな内面の部分も観てほしいです。あと、見た目でいうなら、野球のユニホーム姿も、僕の新しい一面かもしれません。

――俳優としての今後の希望・展望を教えてください。

 「いい俳優とはどんな人だろう?」ということは、日頃からよく考えています。やはり、人の心をいちばん動かした俳優が“いい俳優”なのだと思います。しっかりと役に向き合っている人の演技には胸を打たれますし、そういう俳優に強く憧れます。

 そして、自分の“良いところ”だけではなく、弱さや汚さも含めてすべてさらけ出せる俳優になりたいとも思っています。

――憧れの先輩や共演したい方はいますか?

 「この人と一緒にお芝居したら、自分の中の何かが変わりそうだな」と感じる方は、本当にたくさんいます。ただ、明確に「この人です」と言葉にしてしまうと、その人になりたくなってしまいそうで……。それに、みなさんライバルでもあるので、こういう場ではあまりお名前を出すのは控えさせてください(笑)。

前田拳太郎(まえだ・けんたろう)

1999年9月6日生まれ、埼玉県出身。2021年に俳優デビューし、同年には「仮面ライダーリバイス」で初主演を務める。そのほかの主なドラマ出演作に、「女神の教室~リーガル青春白書~」(23年)、「君とゆきて咲く~新選組青春録~」(24年)、「PJ~航空救難団~」(25年)などがある。また、劇場アニメ『ふれる。』(24年)では主人公の声優を務めている。

栄光のバックホーム

2013年のドラフト会議で、阪神タイガースから2位指名を受けた18歳の横田慎太郎(松谷鷹也)。16年の開幕戦では一軍のスタメンに抜擢されるなど、誰もがその将来に大きな期待を寄せていた。だが、視界に異変が生じ、脳腫瘍という医師の診断が下される。それでも慎太郎は、父・真之(高橋克典)や母・まなみ(鈴木京香)、そして北條史也(前田拳太郎)らチームメイトに支えられながら、病との闘いに立ち向かっていく。

原作:「奇跡のバックホーム」横田慎太郎(幻冬舎文庫)、「栄光のバックホーム」中井由梨子(幻冬舎文庫)
脚本:中井由梨子
企画・監督・プロデュース:秋山 純
出演:松谷鷹也 鈴木京香 高橋克典 前田拳太郎 伊原六花 山崎紘奈 草川拓弥
配給:ギャガ
制作:ジュン・秋山クリエイティブ

11月28日(金)全国公開
©2025「栄光のバックホーム」製作委員会