“浄化”こそ、美容の命だから美容をイチからやり直す時も!
ともかくルームスプレーからハンドジェル、あぶらとり紙まで、すべてがお浄め効果を謳っているが、ふと思うのは、美容の究極の目的は、肌も体も心も清らかにする本当の意味での浄化にある。
上から塗ることより、要らないもの、汚れたものを取り去ることに美容の本分があると考えていい。だからこの“おいせさん”、妙にキレイになれてしまう気がするのだ。そのまま、毎日お浄め美容というふうになる人も。でも“お伊勢詣り”を飛び越して“お伊勢美容”だけする人には、間違ってもお蔭詣り的なご利益はないのであしからず。
他にもこうした“お詣りコスメ”があるのかしらと探ってみたら、やはり“浄めること”に徹した“塩美容”があった。その名も「お守りこすめ」。石けんとバスソルトが「2週間集中・最強お浄めセット」として発売されているが、ここのコンセプトは2週間これを続けると、運気が上がってくるというもの。それも塩風呂の効果で副交感神経が活発になるので、エネルギーが高まり、オーラがきれいになるという触れ込み。
どちらにせよ、お祈りするようなつもりで毎日の美容を丁寧にこなすだけでも、キレイになる効果はアップする。そういう意味でも、イチから美容をやり直すつもりでこういうものを使うと、文字通り何か目が覚めるような開眼があるかもしれない。
齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2016.02.02(火)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫