「一生に一度はお伊勢詣り」と謳われる場所
20年に一度の式年遷宮がひとつのきっかけとなり、今や一大ブームとなった“お伊勢詣り”。今年はサミットもこの近くで行われることもあり、さらなる人出が“心配”される。若い女性の参拝が異常に増えているのは、言うまでもなく日本随一のパワースポットだからだが、勝手に縁結びの祈願に出かけてしまう不届き者も少なくない。
ただやっぱり「一生に一度はお伊勢詣り」と謳われる場所。“婚活詣り”に行ったつもりが、その崇高かつ壮大な佇まいに圧倒され、たちまち神妙になって帰ってくるはずなのだ。
何しろ昔は、それ自体が尊い行為で、伊勢詣りを控えた者は村を出る前に精進小屋にこもって身を清めたというし、帰りは出発する時とは違う着物に途中で着替えて帰宅したという。
いずれにせよ身を清浄にする禊は基本の基本。参拝のスタートも手水含での手と口のお浄め。参拝を終えた人はほぼ全員が心まで洗われたような浄化感を感じたというほどだから、今も下着まで新品をおろして行くという人も少なくないのだ。
そんな伊勢詣りの“浄化作用”にあやかったコスメシリーズが今、話題。
「おいせさん」は「お伊勢詣りが何よりも好きな、感謝の気持ちを大切にする、きれいで聡明な、誰からも愛される、そんな女性のための化粧品……」というコンセプト。恐れ多くも皇室の氏神である神宮に肖る喜びと礼儀は忘れていない。
だからもちろん、基本はお浄めのコスメが中心で、お風呂ものがメインアイテム。確かに前日はこれで身を清浄にして出かけたい。バスソルトももちろん、バスキューブにも塩が入っていて、お浄めの意味と美容効果がバッチリ融合したのは、ただの偶然と思えない。またお浄め口漱塩水なるマウスウォッシュやお浄め塩キャンドルにも携帯用が用意されたのは、やはりお伊勢詣りの旅を意識してのものなのだろう。
2016.02.02(火)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫