Magnificent View #759
英仏海峡トンネル(イギリス)
イギリスとフランスを結ぶこの鉄道用海底トンネルの総距離は、50.5キロ。海底トンネルとしては、日本の青函トンネルに次いで、世界2番目の長さを誇る。ご覧の風景は、イギリスのフォークストン側のもの。
最初に掘削作業が始まったのは、1881年のこと。だが、その構想は、海峡を横断するアイディアがフランスで募集された1751年にまでさかのぼる。ナポレオンの時代から、「ヨーロッパを陸続きに」という夢は始まっていたのだ。
しかし、トンネルが国防上の障害になるという理由で反対運動がイギリスで起こり、1883年に工事は中断。その後、何度も計画が再燃しては消え、再着工には至らなかった。
紆余曲折あれどプロジェクトが頓挫しなかったのは、ドーバー海峡で大型フェリーが転覆する事故が起き、海峡を結ぶトンネルが切望されていたため。
1986年にようやく海峡トンネル条約が調印、公的資金を投入せず民間資金による建設が決定。日本人技術者が製作した掘削機も活用され、1994年に完成した。最近は、英国をめざす不法移民が押し寄せていることでニュースにもなっている。
Column
今日の絶景
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2015.10.29(木)
文=芹澤和美