Magnificent View #700
長春祠(台湾)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 雄大な景色で知られる太魯閣渓谷。かつては足を運ぶのも困難だった険しいこの渓谷は、1960年に自動車道の「中横公路」が完成して以降、気軽に行ける観光地となった。

 標高3000メートル級の中央山脈を貫く中横公路の工事には重機が使えず、人力で絶壁や断崖を削り、トンネルを掘るしかなかったという。

 きわめて難しい工事で殉職した200名以上の労働者の霊を弔うために建てられたのが、長春祠だ。建物は中国の伝統的な廟で、中には仏像が置かれているほか、殉職者の名前を刻んだ大理石の名簿が壁にはめ込まれている。

 緑の中に溶け込む美しい建物と、その下に流れ落ちる幾筋もの湧き水がみごとな長春祠は、太魯閣渓谷の中でも人気の景勝地に。こうして絶景が楽しめるのも、先人のはかりしれない苦労があるからこそなのだ。

次の記事に続く 預言者モーセが神から十戒を授かった シナイ山の麓に立...