Magnificent View #683
玉山(台湾)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 台湾のほぼ中央にある標高3952メートルの玉山は、東アジアの最高峰。針葉樹から広葉樹へと広がる樹林帯は野生動物の宝庫でもあり、一帯は国家公園にも指定されている。

 玉山という名は、冬は雪に包まれ、玉(宝石)のように白く輝いていることに由来する。だが、日本統治時代は「富士山よりも高い、新しい日本の最高峰」という意味で、新高山(にいたかやま)と改名。学校では、「日本一の山」として教えられていたという。

 そんな歴史を経て、ふたたび元の名を取り戻した玉山は現在、登山愛好家に大人気。標高2610メートルの登山口から5時間ほど歩き山荘で一泊、翌日の夜明け前に出発するのが定番のコースとなっている。

 そんな登山のスタイルやご来光の美しさが、富士山を思わせる玉山。2014年に、中華民国山岳協会と日本富士山協会によって、「友好山」としての協定も結ばれている。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2015.08.14(金)
文=芹澤和美