古い形態を今に伝える花傘鉾の棒振り踊り

鉾には御神体と呼ばれる像が乗るものもあります。太子山の御神体は、もちろん昔から大人気の聖徳太子。
左:山伏山の御神体は浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)という山伏。
右:孟宗山で、雪のなかを母のために筍を探す姿を表した江戸時代の作。

 ひとくちに山鉾といいますが、「山」と「鉾」の違いはなんでしょうか? 山鉾巡行の先頭に立つ長刀鉾は、大屋根の上に立てた真木(しんぎ)の先端に三条小鍛冶宗近の大長刀が飾られていました(現在は竹製)。その他の鉾も鉾頭があり、祇園祭の由来である鉾が姿を留めています。ただし例外が船型の船鉾、大船鉾や、花傘鉾と呼ばれる四条傘鉾や綾傘鉾。傘鉾は疫病退散の棒振り踊りを行うのが特徴で、古い形態を今に伝えているのだそうです。

四条傘鉾の「棒振り踊り」。地元の小学生16人による頑張りが微笑ましいです。
綾傘鉾の「棒振り囃子」は大人が行います。面をつけた巡柱(じんちゅう)2名が太鼓持ちと太鼓打ちで、覆面男の棒振り(ぼうふり)が、ものすごい勢いで棒を振ります。
腰には穢れを払う玉串や災難よけのちまきを差している姿が見られます。

 次回は、巡行の見せ場、辻回しです。 

京都祇園祭
URL http://www.gionmatsuri.jp/

小林禎弘
フォトグラファー。京都市生まれの京都市育ち。同志社大学を卒業後3年間の公務員を経て撮影の世界へ。雑誌、書籍、広告を舞台として、京都を中心に西日本を幅広くカバー。「撮影歴30年ですが、それくらいでは京都の事はまだまだわかりまへん」。