2007年にスタートした豆菓子ブランド『楽豆屋』

 北野さんは、2007年に豆菓子のブランド『ビーンズ工房 楽豆屋』を立ち上げて、ネット販売や百貨店での販売をスタートさせました。現在、36種類あり、常時20種類を販売しています。

スティックタイプも1袋から買える。

 従来からある落花生や大豆、黒豆だけでなく、アーモンドやカシューナッツ、さらにひよこ豆なども商品化。味付けにもメープルを使ったり、トマトやカボチャといった野菜のパウダーをまとわせたり。

 「健康にいいとされるゴマやきなこ、ショウガや黒砂糖なども、どんどん使っています。コショウや辛味を生かしたお酒のつまみになるものもたくさん考案しました。彩りも美しく、楽しく。それも、体にいいように、できるだけナチュラルなものを使う」。北野さんは、これまで使っていなかった素材、新しい技術で生まれた素材をどんどん取り入れています。「画期的なモノがないか、常に探っています(笑)」。新しい味付けを考える時も、どの豆と相性がいいのかをまず考えるのだとか。

 最も新しい商品が「いちごのマスカルポーネっぴー」。外側は、奈良県の寺田農園のこだわりイチゴを使い、マスカルポーネチーズと組み合わせたもの。中はピーナッツ。食べると、ふわっと優しいイチゴの香りとマスカルポーネチーズのコク。洋風の味わいが楽しい。

「いちごのマスカルポーネっぴー」 きんちゃくタイプ1袋 509円。

 大人気なのが「黒こしょうカシュー」。カシューナッツを寒梅粉で包み、醤油と黒コショウで味付けしたもの。カシューナッツの歯触りと、ピリリとした黒コショウの刺激がクセになります。ビールにぴったり。

 そのバリエーションが「唐辛子カシュー」。寒梅粉で包んだカシューナッツを大阪の『向井珍味堂』で特別に作ってもらっている甘辛の唐辛子と醤油で味付け。これは、日本酒に合いそう。

 「あーもんどエスプレッソ」は、アーモンドにエスプレッソの粉を巻き付けて焼き上げ、和三盆で上品な甘さをプラス。噛むとコーヒーの香りが広がり、アーモンドの香ばしさが合わさって、とてもリッチな気分になれます。これはもちろん、コーヒーによく合います。

 他にも、今日の食生活にマッチするように創作された商品は、どれも印象的。多彩な商品の一部を紹介しましょう。

左から、「サクッと黒豆」「黒こしょうカシュー」「豆乳きなこ大豆」「雀の玉子」「サクサク小豆抹茶風味」、各200円。

 「サクッと黒豆」は、すべて北海道産の黒豆を使用。そのまま炒ったものと、塩味と青海苔、1袋で3種類の味が楽しめる。サクッと軽い食感が特徴です。

 「豆乳きなこ大豆」は、焙煎された香ばしい国産大豆をお豆腐屋さんの豆乳と黒糖で作った生地で包み、さらにきなこでコーティング。優しい味わいです。

 「サクサク小豆抹茶風味」は、フリーズドライの小豆を寒梅粉で包み、宇治抹茶をまぶして仕上げてあります。サクッとした軽い食感で食べやすい。

左から「黒豆きなこ・ごま大豆」「唐辛子カシュー」「あーもんどエスプレッソ」「和風あーもんど」「お炭つきの落花生」、各200円。

 「黒豆きなこ・ごま大豆」は、大阪の『向井珍味堂』の挽きたての黒豆きなこ、『和田萬』のゴマのペーストを使用しています。コクのある味わいで、軽い食感。

 「和風あーもんど」は甘塩、醤油、海苔で和風に仕上げたもの。アーモンドのコリコリした歯触りを和の味わいで。

 「お炭つきの落花生」は、大粒の落花生を寒梅粉と紀州備長炭の粉末で包んで醤油味で仕上げたもの。コリコリ、しっかりした食感です。

2015.05.24(日)
文・撮影=そおだよおこ