ピンク、緑、黄、青。カラフルな色には理由がある!
さて、ここまで「クエ・ラピス」を紹介してきましたが、“どピンク”な色の写真を見て、体に悪そうね……なんて思った人がいるかもしれません。その気持ち、よ~くわかります。でもでも、魅惑のマレーシア料理、そのおいしさは見かけで判断してはダメなのです!
マレーシアのお菓子は、ピンクだけでなく、緑、黄、青、紫、茶など、とっても色鮮やか。とくに青色のお菓子は、まるで万年筆のインクのような色が付いていて、お初にお目にかかったときは、さすがのわたしでも目がテンに。
ところがこれらのカラフルな色、じつは自然の色から抽出しているものも多いのです。たとえば、緑は東南アジアではよく使われている香り高いパンダンの葉、黄色はトウモロコシ、赤はアナトー・シード(木の実)や紅麹、茶色は黒糖に近い椰子砂糖など。インクのように見える青色は、朝顔そっくりのブンガ・トゥランの花びらの色です。南国の空の下に映えるこの鮮やかな色は、食卓を華やかに彩り、そして、食べた人の心をハッピーにするのです。
さらにいきますよ~。もっとカラフル・スイーツ! こちらはパステル調のお菓子。「クエ・ラピス」と同じ米粉を蒸したもので、中に練り込まれている具材によって色が変わってきます。
どれも甘さひかえめで、日本の緑茶との相性も抜群。ただ、唯一の難点が、生菓子なので日持ちがしないこと。マレーシア土産として友人に持って帰ってあげたいのですが、こればっかりはね~。現地でせっせと食べるのみです。
こちらは緑と白の2層になった「クエ・タラム」。白い部分はココナッツミルク味で、緑の部分はパンダンの香りをつけた甘い味。ココナッツミルクの層にちょっぴり塩を加えていて、しょっぱさと甘みを同時に味わえます。
2015.05.15(金)
文=古川 音
撮影=古川 音、三浦奈穂子