スピード感溢れるリバークルーズで川岸の暮らしを垣間見る

ロングテールボートに乗り、川面からバンコクを探訪するツアー。陸とは違う街の顔が見えてくる。

 チャオプラヤ川の河畔に位置するマンダリン オリエンタル バンコク、その立地はリバークルーズのエクスカーションにもってこい。ホテルの船着き場からロングテールボートに乗りこんで、そのまま川をめぐる冒険へ。

暁の寺の大仏塔の急勾配な階段を上ると、王宮やワット・プラケオの胸をすくような眺めが。ただし、戻る時はおそるおそるに……。

 最初に訪れるのは、三島由紀夫の作品『暁の寺』で知られるワット・アルン。バンコクの三大寺院に数えられ、その仏塔は10バーツ硬貨にも描かれている名刹だ。

 仏塔の台座を近くで見ると、鮮やかな磁器のかけらを組み合わせて装飾されていることがわかる。これは王室へ献上する磁器を運んだ中国船が難破し、粉々になってしまった磁器のかけらを再利用したのだそう。磁器のモザイクに光が反射する様子も、“暁の寺”の名前にぴったりだと評判が高い。

 そして75メートルの大仏塔に登れば、高みから川の対岸に展開する、壮麗な王宮やワット・プラケオを望むことも。

2015.04.10(金)
文・撮影=古関千恵子