Magnificent View #472
クラック・デ・シュヴァリエ(シリア)
(C) Miles Ertmani / Masterfile / amanaimages
小高い丘の上に聳える白色の城塞、クラック・デ・シュヴァリエ。12世紀から13世紀初頭にかけて、十字軍とイスラム軍の激戦の舞台となった場所だ。
城の起源は、シリア第2の都市アレッポの領主が1031年に築いた砦にさかのぼる。1144年に聖ヨハネ騎士団が所有して以降、大規模な拡張工事が行われ、現在のような形になった。当時の建築技術の粋を集めて建設されたこの城は、内部にさまざまな防衛のための工夫がされている。
その屈強な造りだけでなく、外観の美しさでも知られるこの城。映画『アラビアのロレンス』の主人公として描かれたイギリスの軍人、トーマス・エドワード・ロレンスも、「十字軍の城の中では世界で最もすばらしい」と讃えたのだとか。
2006年に世界遺産となったものの、2013年、シリア内戦の空爆により、一部が破壊。現在はシリアにあるほかの世界遺産と同様に、危機遺産となっている。
文=芹澤和美
