朝のお勤めや写経、精進料理を楽しもう

覚林坊の客室はすべて和室で、落ち着いた雰囲気を味わえる。ぶどう王国の山梨にちなみ、浴室の湯船にはワイン入浴剤が。

 ここ最近、宿泊施設があるお寺「宿坊」に泊まり、朝のお勤めや写経などを体験する“プチ修行”が密かなブームを呼んでいる。なかでも、日蓮宗総本山・久遠寺を擁する身延山(山梨県南巨摩郡)の宿坊が人気だそう。

 自由に参加できる久遠寺での荘厳な朝勤(ちょうごん)や、各坊で振る舞われる特産の湯葉を使った精進料理の他、新宿から直通の高速バスで約3時間半という良好なアクセスがその人気の理由となっている。

 身延山には、東谷、西谷、中谷の3つの谷に31の坊舎が点在する。700年以上続く坊もあり、日蓮聖人やその弟子ゆかりの史跡をはじめ歴史ある建築物や庭園などを鑑賞することができる。このうち20の坊が、宿坊として参拝客や観光客を受け入れている。特産の湯葉を使った精進料理や地元野菜を使用した家庭料理など、趣向を凝らした料理を提供する他、写経や正座会などを行う坊もある。

 宿泊料金は、1泊2食付きで8000円から。

 久遠寺の朝勤は、4~9月は午前5時半より、10~3月は午前6時より開始される。本堂において、数十人の僧侶が一堂に会し、太鼓に合わせてお題目を唱える様子は荘厳かつ華やか。早朝の凛とした空気の中、重厚な空間に響き渡る読経には心が洗われる。

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2011.09.23(金)