憧れはいろんな役を演じ分けられるマルチな役者

――劇中で校内No.1ヤンキーのツトム役を演じられている現役キックボクサーの城戸康裕さんとは、日頃から一緒にトレーニングされているんですか?

 城戸さんとはこの作品をきっかけに仲良くなって、お互いジムは別なんですが、一緒に走ったりしているんです。でも、アスリートのペースに追い付こうとすると、8キロコースでも、さすがにヘバるんですよ。そのときは「俺、アクターだから」と言うようにしています(笑)。でも、最近は2人でダーツばかりしていますね。城戸さんの方がちょっと巧いのが悔しいんです。このあいだも、お酒も飲まずにひたすら5時間やっていました。

――同時期には映画『さまよう小指』が公開され、10月末からは舞台「ダンガンロンパ THE STAGE~希望の学園と絶望の高校生」の上演が控えています。

『アキラNo.2』ではどちらかというと技量を試される受けのアクションが多かったのですが、『さまよう小指』では、やっていて気持ちのいいアクションをやらせてもらった感じがします。二役を演じることも、あんなに血だらけになることもなかったので楽しかったです。「ダンガンロンパ」はヴィジュアル撮影をしたときに、髪の毛の色と肌の色で、こんなに人は変わるんだなと思いました。Sっ気が強いクールな役柄ですけど、原作ファンの方に納得してもらえるよう、キャラがブレないように演じたいです。

――今後はどのような俳優になりたいなど、将来の目標があれば教えてください。

 昔から大好きな山田孝之さんのように、いろんな役を演じ分けられるマルチな役者、そして、セリフがなくても表現できるような役者を目指していきたいです。あと、ドラマを見るのが好きで、最近だと「家族狩り」にハマっていたのですが、たとえば「同窓生~人は、三度、恋をする~」の井浦新さんや「MOZU」の西島秀俊さんのお芝居を見て、演技の勉強にもしています。

小澤亮太(おざわりょうた)
1988年1月25日生まれ。千葉県出身。11年、ドラマ「海賊戦隊ゴーカイジャー」にてゴーカイレッド/キャプテン・マーベラス役を射止め、初出演にして初主演。ドラマ「サマーレスキュー~天空の診療所~」「なるようになるさ。」、映画『恋する歯車』『ホットロード』『さまよう小指』などに出演。10月29日から舞台「ダンガンロンパ THE STAGE~希望の学園と絶望の高校生」が日本青年館大ホールにて上演される。

『アキラNo.2』
不良が巣食う陸山高校で強大な力を持つ軍団ナンバーズで、ナンバー2のアキラ(小澤亮太)。彼は生きる伝説と称されるNo.1のツトム(城戸康裕)の機嫌をうかがうことで、自らの地位を保持。周囲への配慮、我慢など日頃の努力によって頂点を勝ち取ろうとする。
(C) 2014奥嶋ひろまさ/少年画報社/エスピーオー
シネマート六本木ほか公開中
10月10日(金)にはクロージング舞台挨拶の開催が決定! 登壇者(予定):五十嵐麻朝、小西成弥、吉田大輝、高橋郁哉・チケットぴあにてチケット絶賛発売中
※映画『アキラNo.2 完全版』DVD(3.500円/税抜)も絶賛発売中
http://www.cinemart.co.jp/akira-no2/

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2014.10.03(金)
文=くれい響
写真=中井菜央