“あるきっかけ”で小泉今日子のスタイリングを手がけ…

近田 もともと、日記つけたり作文書いたりとか、そういうのは好きだったわけ?

安野 いや、全然。

近田 よく引き受けたね(笑)。

安野 秋山さんが強引だったんですよ。「私、何もできないんです。すみません」って言うと、「何もできないってことは、何でもやれるってことなんだよ」って。

近田 あいつがこねそうな理屈だよ(笑)。その頃の秋山といえば、キョンちゃん、小泉今日子のイメージチェンジ戦略でも名を馳せたよね。

安野 秋山さん本人が、小泉さんの所属事務所であるバーニングプロダクションに熱烈なラブレターをしたためたんです。「僕が小泉今日子の魅力化計画をします」って。

近田 その意欲がバーニングに買われ、キョンちゃんは、「活人」というグラフ誌の表紙に全身黒塗りのビキニ姿で登場したり、『小泉記念鑑』という写真集では魚拓ならぬ人拓を取ったりと、センセーショナルな話題を振りまくことになった。

安野 その後、秋山さんの仕事のとあるきっかけから、私が小泉さんのスタイリングを手がけることになるんです。

近田 とあるきっかけって?

安野 小泉さんが出演したコマーシャルで、相手役を務めたんです。といっても、彼女の友達という設定の私は、画面には映らずフレームから彼女と話していただけなんですけど。その時の小泉さんが着る洋服は、衣装然としたものよりも普段着っぽい方がいいってことで、私が集めてくることになったんです。

近田 それが、スタイリスト・安野ともこのスタートになったんだ。

安野 その衣装のことがきっかけで小泉さんから、次もやってほしいという依頼をいただいて。「私、スタイリストじゃないんですけどいいんですか」と確かめたら、「大丈夫です。お願いすればスタイリストってことになるんで」みたいなことを言ってくださって。

近田 まあ、免許や資格の要る仕事じゃないもんね(笑)。

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