この記事の連載

 限られた時間のなかで最大の成果を引き出すには、何を優先し、どのように工夫するかが鍵となります。第一生命で投信事業企画を担う江藤綾香さんは、資産形成の最前線に立ちながら、出産・育児を経て「時間設計」や「チーム連携」の大切さを体感。自身のキャリアを通じて、保障と資産形成を一体で提案する新たな価値づくりを推進しつつ、働き方そのものを進化させてきました。彼女のキャリアの歩みと、仕事への姿勢に迫ります。


キャリアと子育てを両立して、成果を引き出す時間術。

【第一生命保険株式会社】

資産形成の本質を学んだキャリアの起点

 江藤さんは第一生命に入社後、山口支社を皮切りに、団体年金事業部、第一生命ホールディングス資産形成・承継事業ユニット、資産形成・承継事業部と、多様な事業企画を経験してきました。

 特に団体年金事業部でDC(確定拠出年金)事業企画を担当した時期は、マイナス金利時代の到来と重なり、多くの従業員が期待リターンを得られない現状を目の当たりにし、「お客さまの将来資産を守るには、投資教育が不可欠だと痛感した」と言います。

 その後、政府の「資産所得倍増プラン」をうけ、「貯蓄から投資へ」の流れが加速。江藤さんは資産形成・承継事業部の立ち上げに尽力し、今に続くキャリア基盤を築きました。

投信事業を推進する柔軟なリーダーシップ

 現在は資産形成・承継事業部で投信事業企画を担当し、新NISA開始に伴う全国の投信販売体制を構築。育休復帰後の新たな挑戦となりましたが、戦略策定から販売ルールの整備、営業員研修や顧客対応モニタリングまで、幅広く現場をリードしています。

 「手探りでも前に進む姿勢を大切にし、現場がスムーズに提案できる仕組みづくりに注力しています」と江藤さん。彼女の働き方には、柔軟さと先を見据えた計画性が光ります。

出産・育児で変わった時間の価値観。制度とチームの支えで実現する両立

 江藤さんは、出産・育児をきっかけに仕事の優先順位や時間配分への意識が大きく変化したといいます。

「以前は時間をかけるほど成果が出ると思っていましたが、今は限られた時間で成果を出すための工夫を重視しています」

 完璧を求めすぎず、周囲に頼る姿勢を身につけたことも、働き方の幅を広げるきっかけとなりました。子育て期には「時短勤務」や「テレワーク」を活用し、柔軟に働きながらも成果を出し続けてきました。

「制度だけでなく、上司や同僚の理解があってこそ両立が可能になっています」

 職場全体で助け合う環境が、江藤さんの働き方を後押ししています。

文化として根付かせる柔軟な働き方

 今後は、既存制度を「文化」として浸透させることが重要だと江藤さんは語ります。パートナーの育休取得や柔軟な働き方の普及を推進することで、さらなる両立支援が可能になると考えています。

 「『今はこうするのが、私たち家族にとってベスト』と、自分なりの選択を肯定していくことが、何より大切だと思います。周囲と比べず、ひとつひとつの小さな選択を重ねていく先に、自分らしいキャリアや暮らしの形が見えてくると信じましょう!」と語る江藤さん。

INTERVIEW

子どもがまだ小さいので、急な発熱や保育園からの呼び出しにハラハラする日々ですが、そんな中で支えになっているのが、「時短勤務制度」や「テレワーク制度」です。復職直後は時短勤務を選び、子どもとの時間を確保しながら徐々に仕事のペースを取り戻すことができました。また、在宅勤務が可能だったことで、通勤の負担が減ったり、子どもの体調が不安なときにも柔軟に対応できたりと、精神的なゆとりにつながりました。

第一生命グループにおける仕事と育児の両立支援

【チャイルドサポート休暇】

 小学校6年修了までの子どもの看護、予防接種、健康診断、子の通う学級の臨時休業、学校行事への出席の場合に、1年度につき12日まで取得可能。

【産育介休サポート手当】※

 休職者の業務を代替およびサポートする社員に手当を支給。社員の負担に鑑みて支給額を按分。

【アーリーカムバック支援プラン】※

 産育休から早期に職場復帰した女性社員を対象に、カフェテリアプランの育児関連・家事代行サービス等に利用できるポイントを毎月5万円分相当付与。

※2025年10月より制度開始

 次ページでは「保障と資産形成・承継の一体コンサルティング」に取り組む第一生命ならではの『ステップジャンプ(指数連動型個人年金保険(無配当)2024)』の開発ストーリーを紹介します。

2025.09.12(金)
企画・制作=株式会社 産案

CREA 2025年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

「誰にも聞けない、からだと性の話。」

CREA 2025年秋号

「誰にも聞けない、からだと性の話。」

定価980円