全国の劇場さんと一緒に、じっくり作品を育てていきたかった

くれい お二人が今作に携わった率直な感想を教えてください。

小栁 洋画離れが叫ばれる中で、ふだん香港映画はもちろん、そもそも実写映画を観る機会がなかった方々にまで本作が届いたというのは、本当に大きな出来事だったと感じています。こうした広がりが生まれたことで、改めて「面白い作品はきちんと届く」という実感を持つことができましたし、今後もアジア映画や洋画がもっと多くの方に届き、ヒットしていってほしいという思いを強くしています。

 業界内では、「劇場数をもっと拡大していれば、興行収入10億円も目指せたのでは」という声もいただいています。ただ、私たちは当初から息の長い興行を目指していて、これまで本当に支えていただいた全国の劇場さんと一緒に、じっくり作品を育てていくというスタンスでやってきました。その結果として、ここまで多くの方に届いたことを、今はなにより嬉しく思っています。

大島 公開して数ヶ月後にこうやって大きく紙面をさいて紹介いただく作品は今までなかったですし、それによって、またお客様が来てくださり、上映が続くなんて初めてです。これは、SNSや口コミ、ファンアートなどでお客様が発してくださった熱が伝播したからこそだと感謝しています。

◆舞台挨拶後に「終わったらラーメンが食べたい」とリクエストしたルイス・クー、お手洗いから小走りで戻ってきたトニー・ウーのエピソードなど、座談会の全文は『週刊文春WOMAN2025夏号』でお読みいただけます。

文:くれい響

大島美樹/おおしまみき 香港電影通信の編集を経てPRに。香港映画祭Making Wavesの宣伝担当。

小栁大和/こやなぎやまと 配給会社(株)クロックワークスで本作を買い付けた宣伝プロデューサー。

くれい響/くれいひびき 本作のオフィシャルライター。香港映画に造詣が深く、来日舞台挨拶のMCも担当。

『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』 

全国劇場にて公開中
 

©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved./配給:クロックワークス

週刊文春WOMAN vol.26(文春ムック)

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2025.07.28(月)
文=くれい響