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コロナ禍を経ての歌舞伎界

――近年、歌舞伎の舞台でも大役を次々演じられている印象です。

隼人:歌舞伎界における世代交代の波や、コロナ禍の影響も大きかったでしょうね。ダブルキャストや代役を準備して公演するということが当たり前になりました。僕も何度か代役をさせていただきました。結果として、僕らのような若手俳優にもチャンスの場が増えてきたんです。

――ダブルキャストの公演だから、Bプロには若手を配役してみよう、という流れが出てきたということですね。

隼人:我々若手の実力が多少認められたと考えてもいいのかなという自負もあります。そして、歌舞伎のためにどんどん新しい世代を育成していかないといけないという危機感を多くの人が共通して持った。そういったことが重なり、僕も大きなお役をいただけるようになったのかなと思います。

 映像、歌舞伎、どちらの世界でも大きな役を担いつつある隼人さん。次回は公演を控える大阪松竹座「七月大歌舞伎」について伺います。

【続きを読む】中村隼人さんインタビュー #2「七月大歌舞伎」

「七月大歌舞伎」
大阪松竹座
7/5(土)初日~7/24(木)千穐楽

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/osaka/play/892

次の話を読む「後輩に、今度自分がやりたいと思われる作品作りがしたい」中村隼人が考える“新しい古典歌舞伎”

2025.06.27(金)
文=宇野なおみ
写真=山元茂樹