自分が楽しい、心地よいと思える音楽を作るように
――生活が変わったことで人生観なども変わりましたか?
そうですね。本もたくさん読むようになりましたし、見る映画も音楽の趣味も変わりました。
僕は昔から「4つ打ち」という、ダンス・ミュージックで等間隔に打ち鳴らされる四分音符のリズムが好きなんです。それは昔も今も変わりませんが、昔はCMなどオールターゲットに喜ばれるような音楽を作ってきました。それがいまは、生楽器やフィールドミュージックなどを入れ、自分が楽しい、心地よいと思える音楽を作るようになりました。
もっといえば、昔は「いかに楽して儲けるか」みたいな、いやらしい考えもあったのだと思います。でもいまは、苦労して撮った雨の音や風の音を入れたり、生演奏、生バンドの臨場感ある音を入れたりするなど、努力や苦労を重ねることを楽しいと感じるようになりました。

――大学や高校で子どもたちに教える内容も、変わったのではないでしょうか。
大学は今年で8年目ですが、最初の頃は「どうやったら売れる音楽が作れるか」「どうやったらスターになれるか」という内容にすごく注力していました。でも、コロナ禍以降は、音楽の本当の面白さや魅力についてみんなで一緒に考えたり、自分の感性に気づくヒントを得たりする授業に変わりました。
高校は2023年から始めたのですが、最初の年は先ほど申し上げた通り2人しか受講生がいなくて……(笑)。翌年入学式でスピーチを頼まれたので、「どうしたら売れるか、流行するかということではなく、音楽やエンターテインメントを通していかに人生における勇気を持つかが大事。それを自分の経験から教えたい」と話したら、一気に生徒が20人に増えました。
いくら知識だけ詰め込まれても、誰もが教えてくれた人と同じことができるわけではありませんし、実践がなければ身につきません。自分で考えるクセをつけるために、グループディスカッションなども多く取り入れ、実のある授業を心がけています。
――それでも、音楽家としてマークさんに期待するファンもいると思います。今後の音楽活動についてもぜひ、お聞かせください。
からだに心地よい音楽に非常に興味があり、密かにプロデュースしています。実は、ある周波数の音楽は人体に良い影響があると言う研究もあるんです。その研究結果を知り、たくさんの方々にからだに良い、心地良い音楽を届けていきます。
携わるジャンルとしては、新しいですが、僕がプロデュースした音楽でたくさんの方々に「癒された」、「楽になった」、「前向きになった」、「眠れた」などを体験してもらいたいです。みなさん、応援してね。
「御社の乱れ正します!2」

■放送情報
放送日時:2025年10月2日(木)よる11時スタート 全12話(30分枠)
※BS-TBS、BS-TBS 4Kで同時放送
■出演
三枝 玲/サエグサ・レイ・・・山崎 紘菜
鹿妻 新/カヅマ・アラタ・・・飯島 寛騎
Bar PURPLE ROSEマスター・・・・マーク・パンサ―
ほか
番組ホームページ https://www.bstbs.co.jp/drama/onsha/

2025.07.07(月)
文=相澤洋美
写真=釜谷洋史