この記事の連載

 三谷幸喜が初めてシェイクスピアの翻案上演に挑む『昭和から騒ぎ』は、二組のカップルの恋の駆け引きを描いた恋愛喜劇。三谷戯曲2度目の挑戦となる竜星 涼さんに、「自分と似ている」という役柄について、そして楽しくも刺激的な稽古について聞きました。


「三谷さんが作るものへの絶対的な信頼感がある」

 彼はとてもピュアな人。ジェットコースターみたいな起伏の激しい役なので、熱量高く演じられたらと思っています。物事をよく考えずに行動するので色々な問題が発生しますが、僕自身も後先考えずに突っ走っちゃうところがあるので似ていると思いました。

 特に舞台では、その瞬間、その瞬間を気持ちでやりたいと思うので、昨日の稽古でもアッパーなテンションで叫んじゃって。案の定、若干声を枯らしました(笑)。

 稽古終わりに三谷さんと一緒に帰ったときに聞いてみたんです。「これはあてがきですか?」って。そしたら「いやいやいや、違います」とおっしゃっていて。もし僕にあてがきするとしたら「チャラい役」と仰ってました(笑)。

──三谷さんはなぜ竜星さんを「チャラい」認定しているのでしょう?

 たぶん僕のファッションに関してチャラいイメージがあるんだと思います。前回の舞台でご一緒した時は夏だったので、全身真っ白の格好をしていたりしていて。そのことをずっと言うんですよ。「そういう格好をする人はチャラい」って(笑)。

──稽古場の雰囲気もよさそうですね?

 笑いの絶えない現場だと思います。三谷さんが突拍子もないことを演出されたときに、みなさんが瞬発力で応えるおもしろさはありますね。様々な個性を持った先輩方ですが、皆答えは三谷さんにあるという感覚がすごく強くて。三谷さんが作るものへの絶対的な信頼感があるし、要求するものに応えたいという気持ちは強いと思います。

2025.05.27(火)
文=松山 梢
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=oya
スタイリスト=YAMAMOTO TAKASHI (style³)