5大会連続の五輪出場を果たし、ウエイトリフティング日本記録保持者の三宅宏実さん(39)。現役引退後は指導者として活動し、一児を育てる母でもある。現在の生活、結婚を決めるまでの背景、出産を経て感じたことについて、話を聞いた。(全3回の1回目/続きを読む)

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――2021年11月に引退されてからこの3年半に結婚、出産、コーチ業として職場復帰、さらに日本ウエイトリフティング協会の常務理事にも就任。かなり慌ただしい日々だったのでは?

三宅宏実さん(以下、三宅) まだ足が地についていないというか……。頭を痛めているのが育児と仕事の両立ですね。選手と向き合っている時に、ふとしたことで息子が気になるし、子どもといる時は選手が気になったりして、どこか中途半端な自分がいるんです。

 現役時代はゼロか100みたいな人間で、没頭すると余計な考えが入ってこなかったんですけど、今はそれがなかなかできない。産休明けから復帰したばかりなので、まだ、頭の切り替えがうまくできていない感じですね。

東京・埼玉と山梨を行き来する生活

――ご結婚されてから山梨県在住ですよね。

三宅 夫が山梨出身で、笛吹市役所に勤めているんです。昨年1月に出産してからは、子供を自然の中で育てたいという思いもあって、私も山梨で一緒に暮らしています。

――東京との往復は大変そう……。

三宅 私は月曜日から土曜日の午前中まで東京で、それから山梨に帰るという生活です。仕事の間は1歳の息子を埼玉県の私の実家に預けているので、山梨、埼玉、東京を行ったり来たりですね。

 この移動がなかなか大変で……。子育てしながら仕事もできる環境が整っていればいいのですが、現状、ちょっと精一杯という状況ではありますね。

2025.06.19(木)
文=吉井妙子
撮影=鈴木七絵