ガラケーをボロボロにして遊んだ幼少時代
深緑:お父さんはパソコンクリエイターをされていたとか。
野島:平たくいえばプログラマーみたいな。だから家にカメラとかそういう機材がありふれていて、小5か小6くらいの時に2万ぐらいの中古のデスクトップを買ってきてくれたんです。それにプロが使うようなEDIUSっていう編集ソフトを入れてもらって、そこでレイヤー(複数の画像を重ねる性能)というのを知りました。いろいろ調べて、PNGって透明度を入れられるらしいとか、ものを重ねていくということを覚えて、手描きの稲妻の絵を合成したりして遊んでました。

深緑:その前はどういった子ども時代だったんですか?
野島:お古のガラケーをもらって遊びまくってました。SIMカードが入っていないから何もできないけど、カメラがついていて階段から落っことしたり、手すりを滑らせたり、とんでもないダイナミックな動画を撮ってボロボロにしていました(笑)。「これをやったらどうなるんだ」って、結果を確認しながら繰り返しやりまくる。それは今でも覚えています。
深緑:静止画には興味はなかったんですか?
野島:静止画は全然やってなかったですね。シミュレーションっぽいというか、どういう動きをしたらどんな映像が撮れるのかに熱中してたんだと思います。
2025.04.10(木)
文=野島達司,深緑野分