笹舟に寄り添う愛おしい鶯もち

◆青野総本舗

 麻布にある「青野総本舗」。安政3年創業、160年以上の歴史を誇る和菓子屋さんです。

 看板商品の「鶯もち」は、四代目の兄にあたる役者・青野平義氏が考案したもの。「楽屋でも汚さずに食べられるお菓子を」という想いから、竹皮に包んだ鶯もちが誕生しました。

 鶯の由来は、松尾芭蕉が詠んだとされる「鶯を たづね たづねて 阿左婦まで」の俳句から。包みを開くと丸いお餅が2つ入っていますが、これは笹舟に眠る夫婦の鶯をイメージしたもので、風情溢れるつくりにもほっこりとします。

 羽二重粉を使った求肥は柔らかく繊細な仕上がりで、なめらかなこし餡との一体感が素晴らスィーツ! きな粉の香ばしい風味もたまらなく、小ぶりながら大満足の美味しさです。

和菓子 青野総本舗

所在地 東京都港区六本木3-15-21
電話番号 03-3404-0020
https://www.azabu-aono.com/

2025.03.25(火)
文=スイーツなかの
撮影=深野未季