ついに規格外のアジが…!

 アジは同じサイズで群れを形成する傾向があるため、40cm以上(ギガアジと呼ばれる)を釣るとなると30cm後半が釣れる場所が条件になる。手のひらサイズのなかから偶然巨大なアジがかかるといったことはほとんど期待できないが、今の状況で数を重ねればギガアジが釣れる可能性は高いといえる。

 しかし夜明けが近づいているため、群れを散らさないよう手返しよく仕掛けを投入する。

 すると今度はウキが見えなくなるほど消し込まれた。まるで根がかりでもしているかのようなズシッとした重さで一向に上がってこない。間違いなくこれまでと重量が異なる。

 バレないことを祈りながら慎重にタモで掬うと……。

 ついに五島の巨大アジが姿を見せた。引きもそうだが、見た目ももはやアジというより青物を彷彿させる。キビナゴを食べているのか、サバのような丸みを帯びている。アジとは形容しがたい体型に言葉を失う。五島の海が育んだ体高、厚みともに規格外のアジを釣り上げることができた。寒いなか竿を振り続けたかいがあった。

 その後も40cmに満たないアジは釣れたもののギガアジサイズは1匹のみだった。1度のチャンスをものにできたのだ。この釣果は現場ラーメンによって維持できた集中力のおかげといっても過言ではないだろう。

2025.03.15(土)
文=ぬこまた釣査団(大西)