「大胆すぎる…」海上にポツンと浮かぶ“漁師手作りの小屋”で釣りが楽しめる長崎県の“民宿”が釣り人にとって魅力的すぎた〉から続く

 スーパーでも取り扱いが多く、大衆魚の代表でもあるアジ。お店に行けば手ごろな価格で鮮魚が購入でき、アジフライはコンビニで売られるほどのお惣菜定番商品である。

 そんなアジだが、回遊する情報が流れると翌日には釣り場が人であふれかえるほど、釣りのターゲットとしても人気がある。釣りをしない人からすると「買えばいいじゃん」と思われるかもしれないが、アジの回遊には確実性がないため、群れに当たったときの爆釣モードを一度経験すると、つい中毒になってしまうのだ。一度アジ釣りの沼にハマると抜け出すのは難しい。

 私もアジ釣りの沼にはまった一人で、いつからか数を釣るだけでは満たされず、より大きなアジ、そして何より食べて美味しいアジを狙って全国を駆け回るようになった。

 今回は自身のアジ釣りの理念でもある“大きくて美味いアジ”を求めて上五島へ渡った。そこでアジ釣りファンあこがれの40cmを超える大アジに挑む。

アジの楽園

 長崎県がアジ釣りの楽園と呼ばれる理由は、一つのハードルでもある尺アジ(30cmを超えるサイズ)が岸からでも釣りやすいことにある。

 さらに昼間の堤防でお手軽なサビキ仕掛けで釣れる魚影の濃さもなかなかのチート設定である。手のひらサイズを釣るのがやっとの地域がほとんどのなかで、ここまで恵まれた地域は本当に珍しい。

 それもそのはず、日本全体のアジの漁獲高11万4859tに対して長崎県だけで5万3564t(全体の46%)の水揚げ高を誇る。他の追従を許さない圧倒的な漁獲高で堂々の全国1位(令和4年)に君臨する。

2025.03.15(土)
文=ぬこまた釣査団(大西)