
阪急電鉄・夙川駅東の高架下商店街には、様々な店舗が並んでいます。人気のブーランジェリーもあり、北側には緑豊かな公園もあって、駅から約10分歩くのもお散歩気分。目指す「笹外郎屋」は、高架下南側、ドアに下がった「笹外郎」と書かれた緑色の布が目印。2024年7月7日オープンの、小さなお店です。

ドアを開けると、店主・高崎恵さんが笑顔で迎えてくれます。店内はテーブル3卓6席。店名は「笹外郎屋」ですが、メニューには、笹外郎以外にもいろいろ。高崎さんが選んだお茶と合わせて作りたての和菓子が楽しめます。

まずは、珍しい「笹外郎」をご紹介しましょう。
ここの笹外郎は、ぷるぷる、もちもち。一般的な外郎のもっちりした食感とは全く違います。
「小麦粉を使わず、国産わらび粉、葛粉で作ります。餡との割合がポイント。水分を微調整して、ぷるぷる、もちもちの食感、心地よい口どけを追求しました」と高崎さん。「冷蔵庫から出してすぐ、冷たい状態で食べてほしい」と言います。持ち帰り用に、保冷バッグを持参する常連客も多いとか。
小豆のこし餡を練り込んだ「小豆」、白こし餡の「しろ」、京都・宇治の抹茶をふんだんに練り込んだ「抹茶」の他、丹波大納言小豆のつぶつぶ感が楽しめる「丹波大納言小豆」、ほうじ茶のこうばしい香りを活かした「ほうじ茶」。どれも甘さを控えてあり、それぞれの風味が際立ちます。

さらに、季節毎の「笹外郎」が登場します。春は、塩漬けの桜の葉入りの桜餡の「桜」や「いちご」、白こし餡とよもぎ粉を練り込んだ「よもぎ」、夏は、甘夏ピール入りの甘夏餡を使ったフルーティな「甘夏」……。取材時は、柚子餡と果皮を練り込んだ、さわやかな香りの「柚子」でした。
笹の端っこをつまんで引っ張り、笹の葉を解くと、みずみずしいういろうが顔を出します。笹の香りがふんわり立ち上り、清々しい気分に。どれも、ぷるぷる、もちもち。クセになるおいしさです。
2025.03.09(日)
文・撮影=そおだよおこ