愛子さまに受け継がれた皇室の伝統

 皇室に受け継がれているものは、装いに関することだけではありません。

 皇室では明治以降、慶事などの際に記念の品として、銀製のお菓子入れである「ボンボニエール」が作られてきました。

 2021年12月1日、愛子さまが20歳の誕生日を迎えられた時はコロナ禍であったため、祝宴やお祝いの茶会は開かれなかったものの、実は記念のボンボニエールは製作されていました。

 ボンボニエールの表面には、愛子さまのお印であるゴヨウツツジが上品にデザインされ、その斜め上には皇室の紋章である菊の御紋が配されています。慎ましやかで控えめな、愛子さまのイメージにぴったりです。

 皇室に代々受け継がれてきたジュエリーや、和や洋での装いに関するもの、そして皇室の習慣も、過去から未来にわたり、世代を超えて守り続けられています。

つげのり子(つげ・のりこ)

放送作家、ノンフィクション作家。2001年の愛子内親王殿下ご誕生以来、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)などがある。

2025.01.02(木)
文=つげのり子