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 原作累計発行部数1700万部を超える異色のギャグ漫画「聖☆おにいさん」初の実写映画、『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』に出演された岩田剛典さんにインタビュー。今回の役柄について、そして福田雄一監督作品への参加についてなど、お話をお聞きしました。


――岩田さんが福田雄一監督の作品に参加されるのは、本作が3回目です。もうすっかり福田組常連のイメージですが、オファーを受けた時の感想をお聞かせください。

岩田剛典さん(以下、岩田) いやいや、常連なんて、とんでもないです。また福田組に呼んでいただけた、ということ自体はすごく嬉しかったのですが、2回目、3回目と回を重ねるごとに、監督から求められるハードルが高くなっているような気がして、勝手に緊張していました。

 クランクインの初日は、今年出演した作品のなかで、一番緊張していたと思います。笑いを生むためには計算されたリアクションや表情も求められるので、そういう意味でも普段の撮影よりはるかに緊張しました。

――福田組2作目となる前作のNetflix映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』に出演された時に、「福田組の2回目は(求められるハードルが高いので)怖い」とおっしゃっていました。3回目はさらに高いハードルを感じておられたのでしょうか。

岩田 そうですね。福田作品3回目の立場として、求められる「笑い」にちゃんと応えられるかというのが、まず相当なプレッシャーとしてありました。

 僕の中で勝手に「自分が福田組に呼ばれる理由」みたいなのを深く考えてしまって。「何かしなければ」という思いがかなり強くあったので、とにかく「福田監督を笑わせるにはどうしたらいいか」ということだけを考えて現場に臨みました。

――岩田さんが初めて福田監督作品に出演された、映画『新解釈・三國志』(20年)では、コミカルな演技で岩田さんの新たな境地を開いたと話題になりました。今回は人間ではない「天使」という役柄を、どのように演じたのでしょうか。

岩田 今回僕が演じた天使長のミカエルというキャラクターは、人間ではない天使。だから、台本を頭に入れたうえで、僕にしかできない「笑い」を打ち返せるように、自由奔放にアイデアを広げていきました。まずはとにかく、前の2作以上に福田監督を笑わせてやろうと、監督に「暴れた」アイデアをいろいろと提案させていただきました。

2024.12.19(木)
文=相澤洋美
写真=平松市聖