中村光原作マンガの映画化『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』に出演された岩田剛典さんにインタビュー。福田雄一監督率いる「福田組」への想いと、お笑いに対する向き合い方をお聞きしました。
――本作には、主演の松山ケンイチさん、染谷将太さんをはじめ、豪華な俳優陣が贅沢に登場します。現場の雰囲気はいかがでしたか?
岩田剛典さん(以下、岩田) コメディ作品だと、結構賑やかだと思いがちですが、すごく穏やかな現場でした。みんながそれぞれ、自分の持ち味を活かそうと自由にやるのですが、それでバラバラになったりトゲトゲしたりするのではなく「みんな工夫してやっているから、自分も何かやらなきゃ」というモチベーションにつながっていました。
――岩田さんにとって3回目の福田組参戦は、慣れ親しんだ「ホーム」に戻ってきたような感覚ですか?
岩田 いやいや、全然。むしろ参加すればするほどハードルが高くなるので、アウェーに近づくイメージです。毎回プレッシャーですし、本当に大変なんですけど、クセになるというか、絶対参加したくなってしまう現場です。
――現場での印象深いエピソードがあれば教えてください。
岩田 仲野太賀さんが演じる十一面観音と、神木隆之介さんが演じるヨハネのバトルシーンが面白かったです。ふたりのうちどちらが天界からのオファーを受けるかで争う場面で、お互いにずっと相手の目を見ながら威嚇し合っていたのが、強烈でした。
ただこの場面、残念ながら本番ではカットされてしまったんです。似たシーンは残っているので、映画をご覧いただいたら、「あっ、このシーンだな」とお気づきいただけると思います。ぜひ、探してみてください。
――岩田さん演じるミカエルが、弁才天(演:白石麻衣)と一緒に、軽快なラップとダンスでイエスとブッダにスパルタ指導をするシーンも強烈的な印象でした。ラップやダンスは、台本にはなかったそうですね。
岩田 はい。アドリブでやりました。とにかく、「福田組3回目」というのが僕の中でものすごいプレッシャーで。絶対何かやらなきゃと思っていたところに、福田組初参戦の白石さんが、監督が大絶賛する熱演を披露してくださったので、これは負けるわけにはいかないと(笑)。
僕も臆せずやろうといろいろ考え、アドリブのラップとダンスという形にたどり着きました。
2024.12.19(木)
文=相澤洋美
写真=平松市聖