秋山郷という土地への理解が深まる《続秋山記行編纂室》
秘境・秋山郷での生活や暮らしには多くの人が魅了され、民俗学的な見地からはもちろん、ジャーナル的な見地などさまざまな形で紀行文が著述されている。特に江戸時代後期に鈴木牧之が書き記した『秋山記行』はベストセラーにもなっている1冊だ。
そんな秋山に伝わる生きるための根源的な生活技術や土地の感覚を記録し、語り継いでいくのが《続秋山記行編纂室》。
アケヤマに訪れたなら、まずはここから鑑賞し、秋山郷への理解を深めるのがおすすめだ。
知識として秋山郷への理解を深めたら、秋山郷を山そのものとして感知してみよう。山本浩二が描く《胸中山水 秋山郷図》は山本自身が感じた秋山郷のすがた。作家が会場にいる時には木炭で来場者が絵を描くこともできるそう。この土地を訪れたあなたの胸にはどんな秋山郷が去来するのか。
壁一面の白黒の秋山郷は雪に覆われたような印象を受ける。色が無い世界だからこそ感じる大自然の静謐さ、雄大さに心が震える感覚になる。
2024.10.05(土)
文・写真=CREA編集部