役との共通点はお金をビニール袋に入れて持ち歩くところ?

――本作のどんなところに注目してほしいですか。

 まずは亮子の諦めない姿です。真実までたどり着き、裁判に勝つという信念。引力のある亮子がモンスター級に自由になっていく姿をぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。そしてやっぱり、作品は皆さんと一緒に作るもの。型破りなキャラクターだからといって1人で進むのではなく、リアクションや掛け合いでこのドラマを作っていきたいです。

 正直一筋縄ではいかない問題もあると思います。あえてそこにフォーカスするんだ、という果敢さもある。今は小さいかもしれない声をすくい上げることで、自分自身も含め、考えるきっかけにもなれたらいいと思います。

――亮子は常識にとらわれない人。対して、今回コンビを組むジェシーさん演じる杉浦は常識を重んじる人。趣里さんご自身はどちらのタイプですか。

 一般的な常識はあるタイプだと思います。でも「普通」とか「常識」ってなんなのか、と考えることもあって。だって、自分では普通だと思っている行動や言葉も、友人からは「変」って言われたりもしますから。いろんな人や考えがあって当たり前ですし、自分の「普通」がつねに基準になるわけではないと知っていたい。

――それでも、常識だとされていることでこの常識はちょっと……と思うことはありますか。

  質問の意図とは違うかもしれないのですが、最近どこのお店も現金払いじゃなくなりすぎていませんか(笑)? 新札も発行されたばかりなのに、なかなか手にする機会が訪れなくて。だから、お店がOKならば現金で支払うようにしているんです。作品中で亮子は、ビニール袋に現金を入れて持ち歩く設定なのですが、実は私も、一時期はジップロックがお財布代わりでした。すぐに取り出せるし、楽じゃないですか。今はお財布に入れていますけどね。今ごろ思い出した亮子との共通点です。

2024.10.01(火)
文=藤井そのこ
撮影=平松市聖
ヘアメイク=スズキミナコ
スタイリスト=中井綾子(crêpe)