今年で俳優デビュー15周年。落ち着いた演技を見せる一方で、プライベート写真ではギャル味炸裂の千葉雄大さん。改めて、ギャルマインドについて、創作や人とのコミュニケーションで大切にしていることなど語ってもらった。
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おじさんに「キモい」と言う人はまだギャルの修行が足りない!
――千葉さんは近年、ご自身を表するときにギャル的なものを引き合いに出すことが多いですが、改めて千葉さんの考える「ギャル」って何ですか?
僕もわからないです(笑)。ただ、「ギャル」って、漠然としたイメージ、概念があるじゃないですか。違うと思ったら、はっきり異を唱えて自分を貫くとか。もしかしたら違う喩えでもよかったのかもしれませんが、僕が一番腑に落ちたのが「ギャル」という言葉でした。自分の言いたいことをマイルドに伝える手段として都合よく使っています。
――「ギャル」の対義語が「おじさん」や「オヤジ」だとしたら、威圧的な頑固親父とは真逆の、自由で瞬間瞬間を楽しむようなマインドでいたいとか、可愛いものがお好きだから「ギャル」を使われるのかなと想像していました。
両方ありますね。
ギャルの対がおじさんだったとして、おじさんがギャルマインドを持つことに対して、「イカすじゃん、おじさん!」と言える人がギャルだと思います。逆に「キモいんだけどー」と言う人は、まだまだ修行が足りないなと僕は思います(笑)。
――角が立ちそうな物言いに「ギャルマインド」を被せて、公にはできるだけポジティブな発信をしたいと思っておられる?
僕がネガティブなことをあまり発信したくない理由は別にあります。昔はブログなどでもネガティブなことを書いていたんですよ。でもそれは「そんなことないよ」と言われたいという思いがあったと思います。でも、いまは公に対しては、アドバイスや共感を特に求めていないんです。そういうものが欲しかったら友達に求めればいいし、わざわざ表に出すことではないかなと。
――脚本を書くなど、創作作業は内省的になりやすいと思うのですが、そこではポジティブであろうという姿勢とどうバランスを取っているのですか?
書いているときに内面の暗い部分があふれることもあります。でも、そこは客観的に見てやりすぎと思えば、コミカルさを加えてエンタメにしたり、いかにそれを隠すかというほうに向かいますね。本当にネガティブな面を表現したくなったら、隠さずに出すと思いますけど。
ただ僕は、創作物に関して、受け取り方を限定したくないんですよね。人によって、いろんな感想や解釈があっていいと思うから。
――なるほど。
だから、取材などで「どういう気持ちでこの作品を作りましたか?」と聞かれても「ごめんなさい。そういうのはちょっと言わないようにしていて」と答えます。「そういうことは言わない方がいいと思って」とは言いません。話せないことに対しては申し訳ない気持ちがあるので。
2024.09.07(土)
文=黒瀬朋子
撮影=榎本麻美
スタイリスト=寒河江健(Emina)
ヘアメイク=堤紗也香