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 「朝起きたらまずコーヒー。遅刻しかけててもコーヒー」。そう語るのは、自称「漫才コーヒーおじさん」こと、お笑いコンビヤーレンズの出井隼之介さん。一日たりとも「コーヒーを飲まない日はない」という出井さんをここまでの熱量に導いたきっかけとは。前篇では、コーヒー愛と、おいしい店の見つけ方について伺いました。


信頼できる人たちの行く店をなぞれば運命の一杯に出合える

――出井さんのインスタグラムを参考に、コーヒー店を巡る人も増えているそうですね。出井さん自身は、どうやってお店を見つけているんですか?

 コーヒーフェスや有名なロースターが集うイベントに自ら見つけに行くこともありますし、馴染みのお店に行った時にバリスタさん自身がよく行く店を聞くことも。バリスタさんと話すのも好きなので、何度か通いながらまたいい店を教えてもらいます。信頼できる人の“おすすめ”は信用できますね。集めた情報はGoogleMapにピンを立てるようにしていて、休日やステージの間に足を運ぶのが習慣。行きたい店がありすぎて、印だらけです。

――すごい数! 地方のお店も網羅されているそうですね。

 それも色んな方が教えてくれた店です。地方出張が決まったら、仕事内容よりもまず、劇場や宿から近いコーヒー店をGoogleMapでチェックする方が優先(笑)。地方では新規のお店を開拓するのが楽しいんです。

 僕的にアツかったのは、九州に行く機会が増えたこと。佐賀では、浅煎りコーヒーが飲める人気店「ROLE PLAYING COFFEE」の店主の方が、わざわざテレビ局までコーヒーを差し入れたことも。嬉しかったし、すごくおいしかったですね。SNSでコーヒーが好きだと発信し続けてきてよかったです。

 コンビニもないような場所にロケに行く時には、好きな店で買ったドリップバッグを必ず持参します。本当は豆とミルを持っていきたいけど、そうもいかないので。コーヒーを飲まない日はないです。飲まないと、頭痛くなっちゃうんです(笑)。

――コーヒーにペアリングするお菓子や軽食目当てに行くこともありますか?

 ペアリングをおすすめしてくれるお店では迷いなくスイーツも食べますね。それでいうと、大阪の「YARD Coffee & Craft Chocolate」は、チョコレートとのペアリングが抜群! 店主の中谷さんのご実家は大阪の名パティスリー。カカオの仕入れからすべてを自社で行うビーントゥバーのチョコレートを提供してくれます。

2024.09.05(木)
文=藤井そのこ
撮影=平松市聖