この記事の連載

 日本一忙しい美容家・神崎恵さん。美容に関する書籍も多く執筆している神崎さんが、初の料理本『神崎恵のおうちごはん さあ、なに食べる?』を上梓されました。

 忙しい神崎さんが、料理でされている工夫とは。本に載っていないおすすめレシピもお聞きしました。

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家でご飯を食べるのが一番好き

──神崎さんのお料理のルーツはお母さまですか?

 そうですね。母が作ってくれたメニューや、撮影のときに頼んでいただいたケータリングのおいしかったお料理などで、「あれ、おいしかったな」と思ったものを自分なりに再現したりアレンジしたりしています。

──外食はあまりされないそうですね。

 はい。「外食が苦手」というよりは、「家でご飯を食べるのが一番好き」なので、自然と家ご飯が多くなります。

 たまに外食するのもいいんですけど、息子たちのお弁当とか朝ご飯のことを考えると、つい「家に帰ったらあれもこれもやらなきゃ」「明日も仕事だな」などと考えてしまって落ち着かない。だったら家でNetflixとか観ながらのんびり食べたほうがいいなと思ってしまいます。

──「外食はカロリーが高くなる」「栄養素が偏る」という理由かと思っていました。

 「美容」というと、みなさん「ダイエット」「食事を減らす」ということを考える方が多いかもしれませんが、私の考える「美しさ」は「健康」とイコールです。「美容」は、美しさの前にまず健康であることが大前提だと思っているので、偏った食事や、食べることを我慢しすぎることはしたくありません。

 美容において私は「食べること、寝ること、運動すること」を大事にしていますが、なかでも「食べること」はお腹が満たされるだけでなく、幸せな気持ちや、元気に生きる活力ももたらしてくれる行為だと思っています。そういう意味でも、口にするものはとても大事にしています。

──忙しい日々の中、調理の強い味方に「フライパン」をあげておられます。

 フライパンは毎日大活躍しています。フライパンって、焼くだけでなく、煮るのも炒めるのも得意なんですよ。朝の目玉焼きから夜の焼き物、炒め物まで、フライパンたちがわが家の食卓を支えてくれています。

 ヘロヘロに疲れて帰ってきても、フライパンで火をつけて焼くだけで息子たちの「おいしい」の声が聞けるのは、本当に助かっています。

 わが家のヘビロテメニューは、フライパンで炒めるように作る、汁なしの「フライパン肉じゃが」です。これは私の母から伝授されたメニューですが、こってりしっかり味がつくので、ご飯のおかずに最強です。

 先日は次男がこの本を見て、この肉じゃがを作ってくれました。息子がご飯を作ってくれるというのももちろんですが、母のレシピが親子3代にわたって作られているというのも、嬉しかったですね。

2024.07.31(水)
文=相澤洋美
写真=橋本 篤