器の力を借りることも
──フライパン活用のほか、「だいたいの献立をあらかじめ決めておく」というのも料理時短の参考になりました。
毎日のことなので「きょうなに食べよう」を考えるだけで疲れますよね。
だから私は、1週間のなかでだいたいのメインを決めることも多いです。
「月曜は肉、火曜は魚、水曜はパスタ……」みたいに主役を決めておくだけで、献立が立てやすくなり、負担が減ります。
──作りおきなどはされないのですか?
作りおきのための料理はしません。というよりできません(笑)。
作りおきができない自分を情けなく思ったこともありますが、私の場合は自分がしんどくならないよう続けていくことを一番大事にしているので、自分が無理だなと思う作りおきはしないことにしています。
その代わり、「作るときには大量に作る」ようにしています。ハンバーグや衣をつけた揚げものは、焼く前、揚げる前の状態で冷凍保存しておくと、疲れた日やラクしたい日に重宝します。
ラクをするために、器の力を借りることもあります。私が器好きというのもあると思いますが、器や盛り方の工夫で、なんということのないお料理がすごくおいしそうに見えたり、食欲が増したりするので、そういうところでうまく手を抜くようにしています。
──ご著書の冒頭にも「揚げもの」が出てきます。子どもが大好きな揚げものですが、美容には大敵なのでは?
確かに、栄養バランスをみても、代謝のいい食べ盛りの息子たちと同じメニューを食べ続けるわけにはいきませんよね。なので私は、毎日の食卓に大人用のメニューを組み合わせることが多いです。
たとえば私だけメインを減らして副菜を増やすこともあれば、メインの調理方法を私だけ変えることもあります。
息子たちがヒレカツだったら私はヒレの味噌焼きにするとか、息子たちが生パスタだったら私は黄えんどう豆の麺にするとか、いろいろ工夫しています。
──調理の種類が増えるのは大変ではありませんか?
1日のなかに料理をするというルーティンが組み込まれているので、そんなに大変だと思ったことはありません。10代から料理はしてきたのでもう身体が慣れたというか(笑)。勝手に身体が動きます。
2024.07.31(水)
文=相澤洋美
写真=橋本 篤