見晴らし抜群の「大野亀ロッジ」でひと休み

 丘陵で可憐な花々を愛でたあとは、すぐ近くの「大野亀ロッジ」でエナジーチャージを。訪れた人たちが名づけたという「峠越えのソフト」(350円)が人気で、この日は、そのソフトクリームをのせたオレンジフロートをオーダー。大野亀を間近で望む絶景ロケーションのテラス席でいただく1杯は格別です。

 今ではなくてはならない存在となっている「大野亀ロッジ」は、かつて路線バス会社が運営していた店舗を、北澤さん夫婦が20年ほど前に引き継いだといいます。海鮮丼やブリカツ丼といった丼もの、各種カレーなどメニューも豊富。名物は日替わりランチ定食で、北澤さん自ら釣り上げたものや鷲崎の定置網から直送した新鮮な魚介が味わえます。

 また、この地域は海藻の種類が多く、香りと旨みがあり、歯応えと粘りもよく絶品なのだそう。店内では自家製の海藻や山菜なども販売しているのでお土産にもうってつけです。

大野亀ロッジ

所在地 新潟県佐渡市願149
電話番号 0259-26-2410
営業時間 9:00~16:00
定休日 冬季休

大自然が創り出した「亀」を眺めながら二ツ亀を散策

 満潮時には離れ島、干潮時には島への道が出現する珍しい光景を楽しめる二ツ亀。国定公園でもあり、大野亀とともに『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で2つ星を獲得しています。

 また、海水浴場としても抜群の透明度を誇り、環境省が選定した「快水浴場百選」にも登録。キャンプ場やホテルも隣接しているので、外海府海岸の観光の拠点として人気のスポットになっています。

 大野亀からは、路線バスなら願(ねがい)集落を経由して約8分、歩いても30分ほど。大野亀と二ツ亀をつなぐ海沿いには遊歩道もあり、願集落から10分ほど歩くと賽の河原に出ます。冥途との境といわれ、昔から篤く信仰されていたこの場所には「地蔵菩薩」を中心に無数の石地蔵が静かに並んでいます。

 道中の磯や海岸の崖には、真紅のハマナス、淡いピンク色のハマヒルガオ、白色の花をつけたハマゴウといった海岸植物も見られるので、足元に気をつけながら散策を楽しみましょう。

二ツ亀

所在地 新潟県佐渡市鷲崎
※2024年4月1日から、土・日・祝日の「内海府線」は、前日の17時までに事前予約が必要となりました。
詳しくは新潟交通佐渡のホームページをご覧ください。

海越しに夕日と朝日を望む「SADO二ツ亀ビューホテル」

 大自然を満喫した旅の初日は、佐渡島の最北端に位置する絶景の宿でのんびりと。2024年3月に全面リニューアルしたばかりの「SADO二ツ亀ビューホテル」は、名前の通り二ツ亀を望めるのが特長です。新たにウッドデッキテラスを設置し、防寒対策で2重窓にしたほか、客室やラウンジなどを改装。

 なかでも客室は、質の高い眠りと爽やかな目覚めで知られるシモンズベッドを全室に完備し、調光ができる照明や北欧っぽいデザインの家具を取り入れ、くつろぎと快眠を追求した居心地のよい空間に。全室海側のオーシャンビューで、1年を通して海に沈む美しい夕日が見られるうえ、5月~9月ごろは海から昇る朝日も合わせて拝めます。夜は周辺の灯りが少ないため、天気がよければ水平線の際までの星空にうっとり…。

SADO二ツ亀ビューホテル

所在地 新潟県佐渡市鷲崎1116-2
電話番号 0259-26-2311
◆1泊2食付き2名1室利用時(1名様)16,500円~
客室数 20室
チェックイン 15:00/チェックアウト 10:00
https://sfvh.jp

2024.06.23(日)
文=大嶋律子(giraffe)
写真=釜谷洋史