6月9日、天皇皇后両陛下は31回目の結婚記念日を迎えられた。

「還暦という節目の誕生日を迎えることに信じられないような気持ちがいたします」

 昨年12月9日には、60歳の誕生日を迎えられた雅子さま。30回目の結婚記念日も迎えられたこの年、雅子さまは誕生日に際してのご感想で“2つの節目”への思いを綴られた。

「今年は、私たちにとりまして、結婚30年の節目の年でもありました。この30年の間のことを思い起こしますと、上皇上皇后両陛下の温かいお導きの下で、天皇陛下に常に優しくお支えいただき、また、ほかにも多くの方々に助けられ、見守っていただきながら、今日の日を迎えることができましたことに心から感謝しております。今年は、記念の展覧会なども思いがけず開催していただき、多くの方にお祝いいただいたことは嬉しく、有り難いことでした」

 昨年には天皇陛下のご即位5年、両陛下のご成婚30年を記念した特別展示「令和の御代を迎えて」が皇居・東御苑の「皇居三の丸尚蔵館」で行われた。

 11月10日に両陛下と長女・愛子さま(22)はご一緒に会場を訪れられ、雅子さまは、上品なベージュのテーラードカラーのジャケットとパンツスーツをお召しになり、定番のスカーフを合わせられていた。雅子さまのスカーフと愛子さまのスーツの絶妙な色合わせで、おなじみの“母娘リンクコーデ”となった。

 この特別展示では、両陛下が結婚の儀式で着用された装束やドレスなど、約50点のゆかりの品が展示されている。ご成婚に際しての1回目の「饗宴の儀」でのローブ・モンタントをご覧になった雅子さまは、「久しぶりに見た気がします。懐かしいですね」とおっしゃったという。

雅子さま“史上最高”のロングドレス

 1993年6月15日、報道で拝見した雅子さまのロングドレス姿には、特別な印象が残っている。個人的に、このアプリコットのローブ・モンタントが雅子さまに一番お似合いになるドレスだったのではないかと思う。雅子さまの雰囲気にマッチしていて、「皇室に新しい風が吹くかもしれない」という予感がするような、モダンで個性的な色とデザインだった。当時の皇太子さまと東宮仮御所を出発されるとき、雅子さまは、はにかむような笑顔を浮かべられていた。

2024.06.18(火)
文=佐藤 あさ子