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 鎌倉・小町通りから1本入った路地に、「カフェ ヴィヴモン ディモンシュ」がオープンしたのは1994年のこと。おいしいコーヒーと素敵なインテリア、居心地のいいサービスや音楽は、当時はまだ当たり前ではありませんでした。

 鎌倉、いや日本のカフェカルチャーの礎となった「カフェ ヴィヴモン ディモンシュ」。その歴史のすべてが詰まった本『鎌倉のカフェ ヴィヴモン ディモンシュの30年』(KADOKAWA)が発売され、話題です。

 後篇では、ディモンシュファンを魅了する、堀内千佳さんのパフェやグッズにフィーチャー!


もうひとつの名物、パフェをめぐる物語

 今や全国から「カフェ ヴィヴモン ディモンシュ」を訪れるお客さんの目当ては、もちろんマスター・堀内隆志さんが淹れるコーヒー、そして奥様の千佳さんが作るパフェ、一期一会のグッズも! 一度来たら必ず再訪したくなる理由は、このあたりにあるのかもしれません。

 後篇ではそんな一面に注目してみました。

――ディモンシュに来る人の中には、コーヒーだけでなく、パフェを目当てにしている人も多いようですが……。今回発売された『鎌倉のカフェ ヴィヴモン ディモンシュの30年』でもパフェにページを割いていますね!

堀内千佳さん そうですね。パフェのことをたくさん紹介できて、さらに反響も多かったので、胸が熱くなりました。最初にできたパフェで今も定番の「パフェ ディモンシュ」は、コーヒーのパフェが食べてみたい、と始めたメニューです。今も、丁寧にドリップしたコーヒーでゼリーやグラニテを作っています。パフェには旗を立てるのがお約束ですが、すべてスタッフみんなで作っているんですよ。

――コーヒー味はディモンシュのパフェらしさがありますが、「プリンパフェ」も人気なのでは? 写真を撮らずにはいられません!

千佳さん 25周年のときに作って新定番となりました。ちょうどいいサイズのグラスとプリンの型に出合って。ぴったり合致したので「これは!」と作ったパフェです。最初はプリンをのせる手がプルプルしました(笑)。おかげさまで愛されて、バレンタインのチョコレートプリンパフェ、和栗やかぼちゃなど季節のプリンパフェが派生しています。

 季節ごとのパフェも食べ逃せません。ここでコーヒー以上に季節感を出しているのが、パフェなのですから。春のいちごの「パフェ プリマヴェーラ」やマンゴーの「マンゴープリンパフェ」、イチジクの季節には「MFIP(イチジクパフェ)」などを、毎年楽しみにしている人の多いこと!

 特に、地元の常連さんたちはとにかく季節のパフェや季節のコーヒーが出たら真っ先に食べに行きたい! という人が多いようで、「今年はもう『パフェ メロンシュ』を3回食べたよ!」「私は4回だもんね!」なんて声も聞こえてきます。そして、隆志さんの手によってパフェに合う季節のブレンドが生み出されるのですから、楽しみは無限です。

2024.06.25(火)
文=赤澤かおり
写真=榎本麻美