「CREA」新装刊号にあわせて、CREA WEBでもパリに関連する記事をたくさんお届けしてきたこの1カ月。
「一度はパリに行きたい!」「また行きたいけど、忙しくて休暇がとれない」という方のために、バーチャルなツアーを企画してみました。
案内人は巷で話題のラテアートの達人「じょーじ」さんこと山本カズキさん。エスプレッソの香りとともに、さあパリへ!
エスプレッソの上に、あわ立てたミルクを注ぎ込んでつくるラテアート。街中のカフェでサプライズ的に出てくると嬉しいですよね。そのラテアートを平面から3D(立体)に進化させたのが、大阪在住の山本カズキさん。レパートリーはなんと2000超! 高い造型力とユニークな発想は、海外メディアからも熱い注目を集めています。 ではさっそく、その技を見せていただきましょう!
「言っていただければ、どんなリクエストにもチャレンジしますよ」という頼もしい言葉に、「では、飛行機でパリへ向かうところをお願いします!」
こんな抽象的なお題で大丈夫なのかな、と少々不安でしたが、山本さん、手早くエスプレッソマシーンを操り、ミルクをあわ立てていきます。待つことおよそ5分。
エッフェル塔がカップからそびえ立つ
飛行機+ヨーロッパ地図
なんと、いきなり「連作」を披露! 平面と3D(立体)のラテアートのあわせ技です。
これはパリ直行便でしょうか。スプーンに乗せたかわいらしい飛行機が、ヨーロッパへひとっ飛び。大陸の輪郭は、フォームミルクをスプーンで広げ、ちょこちょことカタチを整えてつくります。ミルクの泡だけで、こんなに細かい造型ができるなんて、お見事です。
さてさて。パリについたら真っ先に訪れたい、定番の観光名所といえば……。
凱旋門
ご存知、凱旋門。ナポレオン・ボナパルトが戦勝記念碑として建築を命じたこの門。本物は完成までに30年かかりましたが、このラテアートは4分で完成です。レリーフなどのディテールは、カクテルピックの先にチョコレートシロップをつけて描いています。
山本さんによると、「建物はそれほど難しくない」そう。
「それなら」と、もう一つ、パリを象徴するあのランドマークを依頼。「できれば、3Dでつくってほしいんですが」と、ダメモトでオーダーしてみたところ……。
エッフェル塔
なんと、塔の上半分がカップからはみ出ています!
ご覧の通り、下半分は平面、上半分が3Dという、これまた珍しい作品。
いったい、どうやって作ったのか……その答えは後ほどのお楽しみ。
パリを北上。芸術家の町・モンマルトルまで足を伸ばします。
サクレ・クール寺院
モンマルトルのサクレ・クール寺院は、パリ市内を一望できる観光名所として、エッフェル塔に並ぶ人気スポット。中央の丸屋根は高さ83メートルにも及ぶそう。
特徴的な外観を、バッチリ再現してもらいました。
モンマルトルの丘の頂上に建っているので、ここからの眺めは絶景!
歩き回っておなかが減ったので、近くのカフェでランチにしましょう。パリの魅力の一つは、どんなブラッセリーでもパンがおいしいこと。バゲットもいいけど、絶対はずせないのはコレ。
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2014.03.04(火)
文=中津川詔子
撮影=橋本篤