明治期に刊行された茶業通鑑に日本最古の煎茶商として記されている山本山。
「山本山 ふじヱ茶房」は、私たちの生活の中にあたりまえのように存在しているお茶本来のおいしさを再認識させてくれるだけでなく、お茶や海苔との新しい出会いのある場所。ひと手間かけて丁寧に淹れたお茶を味わいながら過ごす時間はとても豊かで心地よいもの。今回は宇治玉露をいただきました。

製造工程としては煎茶と同じ玉露ですが、玉露は茶葉を摘み取る20日ほど前から畑に覆いを被せ、日光を遮断して栽培する被覆栽培(ひふくさいばい)で育てられます。日光を遮ることによって旨み成分のテアニンを封じ込め、テアニンが日光を受けることで渋み成分のカテキンに変化するのを制御。
その結果、旨み成分が多くて苦味成分の少ない玉露になるのです。この栽培方法を考案=玉露を発明したのが山本山、六代目当主の山本嘉兵衛なのです。


こちらでは玉露と煎茶を同じ茶葉で三煎いただくことができ、それぞれの色や味わいの違いを楽しみます。
2024.04.27(土)
文=齋藤素子
写真=志水 隆