三煎目を抽出し終えた茶葉に合わせるものは…
特に玉露は三煎の違いがわかりやすく、とりわけ一煎目は驚きの味わい。お茶の概念がひっくり返るかもしれません。そして、三煎目が注がれたあとには驚きの食体験が待っています。
【一煎目】
すべての茶器を温め、取手のない急須・平宝瓶(ひらほうひん)に、茶葉7グラムを入れ、湯冷しして40度にしたお湯40cc注義、蓋をして3分間抽出します。湯呑みは小さなおちょこを使用。最後の一滴までしっかり注ぎます。このとき、急須を振ったり、ゆすったりすると苦味が出てしまうそうです。お茶は山吹色、あるいは黄金色で、お茶というより旨みの強い出汁のような味わい。最後にお茶の香りがふっと鼻を抜けます。
【二煎目】
一煎目と同じ手順で抽出。一煎目より少し緑色が濃くなります。ここで、お茶請けの甘納豆が供されます。
【三煎目】
茶釜の湯(90度)を90cc注いで30秒抽出。きれいな緑色、馴染みのある味に。
【茶葉】
三煎目を抽出し終えた茶葉は柚子ポン酢をかけていただきます。茶葉は柔らかく、でも噛みごたえもあり、例えるならほうれん草のお浸しのような食感。玉露でしか味わえない最後のサプライズ。最初は「え、お茶っ葉を食べるんですか?」と、驚きながらも完食される方が多いそうです。
2024.04.27(土)
文=齋藤素子
写真=志水 隆